「幼竹」をメンマに加工 放置竹林解消にも一役 薩摩川内・黒木地区

(2020/05/24 20:00)
塩漬け途中の幼竹メンマ。穂先(右下)、中間部分(上)、根元(左下)で食感が異なり、さまざまな料理に活用できる
 薩摩川内市祁答院町黒木地区で、1.5メートル程度に育ったモウソウチクのタケノコ「幼竹(ようちく)」をメンマに加工するプロジェクトが動き始めた。「育ち過ぎたタケノコ」を有効活用し、過疎高齢化で問題となっている放置竹林の解消や所有者の副収入につなげる。来月には初出荷の予定。竹を生かした地域活性化に期待が膨らむ。

 ラーメンの具でおなじみのメンマは、中国や台湾で採れる麻竹(まちく)を使い、発酵させ独特の風味がある。モウソウチクのメンマ加工は、福岡県糸島市で竹林整備の切り札として始まった。幼竹をゆでて塩蔵するため、くせが少なく、多彩な料理に使えると好評という。

 
住民が持ち寄った幼竹=薩摩川内市祁答院町黒木
竹林間伐は、柔らかく比較的切りやすい幼竹のうちに行い、伐採後は放置されてきた。メンマ作りは黒木地区を担当する市地域おこし協力隊の下村大樹さん(27)が、糸島の取り組みを参考に発案。地元住民や企業に協力を呼び掛けた。入来町副田のタケノコ育成・販売会社「青嵐(せいらん)」(脇本しのぶ社長)が幼竹を買い取り加工、発酵させずに塩蔵した状態で販売する。

 4月末、黒木地区で初めての買い取りがあった。住民7人が幼竹を軽トラックに積みこんで集まり、重さに応じて代金を受け取った。豊崎正秀さん(69)は約490キロを納品。「この辺りは傾斜のきつい竹林が多く管理が大変。小遣い程度でも、育ち過ぎたタケノコでしかなかった幼竹を生かせるのはありがたい」と笑顔を見せた。

 幼竹は祁答院町上手の加工場で皮をむいて切り、枯れた竹を燃料にゆで、重しをして約1カ月塩蔵。1年~1年半は冷蔵保存でき、調理の際は水を替えながら30時間ほど塩抜きして使う。加工場は市内の企業から無償提供を受けた。

 
幼竹の皮をむき、部位ごとに切り分ける青嵐の脇本しのぶ社長(左)ら=薩摩川内市祁答院町上手
今年は1.5トンを生産し、6月中旬からの出荷を見込む。「揚立屋」を経営する立石食品(鹿児島市)がうち1トンを購入し、メンマ入りのさつま揚げを開発する。井上勝弘事業部長(40)は「減塩であっさりしたうちの商品との組み合わせに期待している。国産の安心感も大きい」と話した。0.5トンは薩摩川内市内の居酒屋2店で提供される予定。

 下村さんは竹を活用した地域活性化を掲げ、竹の酒や竹パウダーなどの準備も進める。「地域が元気になるコミュニティービジネスの仕組みをつくりたい」と話した。