全住民に現金、児童手当上乗せ… コロナ禍支援策 市町村の独自戦略は

鹿児島県内
(2020/06/01 11:45)
 新型コロナウイルスの影響に配慮して各市町村が独自の支援策を講じる中、鹿児島県内43市町村のうち8市町村が現金や商品券を全住民に配ることが、南日本新聞社の調べで分かった。少なくとも17市町は児童手当の上乗せなど子育て世帯への支援策を打ち出した。

生活支援、経済支援に絞って聞いた。
 全住民に現金を配るのは南大隅町(3万円)、東串良町(1万円)、さつま町(5千円)。十島村も世帯に1万円、2人目以降は2千円ずつ上乗せする。阿久根市は市民全員に1万円分の商品券を配る。奄美市と龍郷町は5千円商品券、南種子町は商店街などで使える5千円分のクーポン券を全住民に送付する。南大隅町の担当者は「家計への影響を軽減するため、早めに手当てした」と話す。

 子育て支援策は、児童手当の上乗せのほか、小中高校生に5千円商品券配布(出水市)、小中学校の給食費や保育所・幼稚園の副食費免除(垂水市)など。小中学生への本の購入(同)や図書カード千円分支給(屋久島町)もある。大崎町は高校生までの子どもに、志布志市は小中学生に1人当たり2万円を支給する。

 さつま町をはじめ10市町村は「移動自粛要請」で帰省できない町外在住の出身学生らへ、特産品や現金を送っている。

 16市町が中小企業や個人事業主向けに、国の持続化給付金を補完する独自事業を展開する。最大200万円が得られる国の給付金は、収入が前年比で50%以上減少した月があることが条件。対象外となる事業者を救済する。

 霧島市は前年比で2割以上減収した月がある事業者(第1次産業を含む)に20万円を支給する。さらに飲食店は10万円、タクシーやレンタカーは台数に応じて最大50万円、宿泊業は客室数に応じて最大100万円を上乗せ。特に大きな影響を受けた観光・畜産関連に手厚く支援している。

 薩摩川内市など17市町は、地元飲食店や商店で使えるプレミアム付き商品券を発行。割増率は最大150%と大きい。困窮する事業者支援に加え、生活者支援、消費喚起の“一石三鳥”をもくろむ。

 独自の消費喚起策に取り組む団体などに上限100万円の事業費を助成する鹿屋市、地域活性化事業に上限100万円を補助する薩摩川内市をはじめ、コロナ禍でも前向きに頑張る事業者を支える工夫も見られる。さつま町は役場が特産品を買い上げて全国から募集したモニターに届け、売り上げ低迷に苦しむ地元業者の支援とファン拡大の両立を図る。

 各自治体の生活支援策、経済再生策の大半は国の臨時交付金を活用する。ふるさと納税額が3年連続県内トップの志布志市は、国から示された臨時交付金の限度額1億6千万円を大きく上回る4億4千万円で10事業を展開する。うち4億2千万円はふるさと納税を財源とする基金を充てる。財務課は「景気が落ち込んだ今こそ思い切った財政出動が必要。ふるさと納税のおかげ」と説明する。

 出水市、いちき串木野市、西之表市、錦江町、瀬戸内町も、ふるさと納税を積み立てた基金を活用し、飲食店や観光業者、出身学生への支援に充てる。