春、初夏物セール異例の早さ 3密回避 告知控え長期戦略 鹿児島県内商業施設

(2020/06/05 11:00)
新型コロナウイルスの影響で、春物の先行値下げが始まっている婦人服店=アミュプラザ鹿児島2階のオズモーシス
 鹿児島県内の商業施設で、春や初夏物衣料を値引きする動きが出ている。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた臨時休業中に販売を逃した商品が中心で、6月初めに割引するのは異例。例年なら同月下旬から7月にかけて春夏物の一斉セールが相次ぐが、今年はコロナ対策で集中や混雑を避ける必要もあり、様相が変わっている。

 アミュプラザ鹿児島(鹿児島市)の衣料品各店は、一部の商品に50~10%引きの赤札を掲げる。2階の婦人服「オズモーシス」は、長袖のブラウスや薄手のニットといった春物を最大3割引にする。4月18日から1カ月近い臨時休館中出せなかった春物に加え夏物も入荷するため、5月15日の営業再開から値引きを始めた。

 “3密”を避けるため、各店あえて告知は控えており、店に足を運ばなければ気付かない。室屋恵梨奈店長(29)は「来店客の目を引くようにしたい」と、肌寒い日は長袖を前面に出すなど陳列に工夫を凝らす。

 イオンモール鹿児島(同)のイオン鹿児島店も初夏物など一部を値引きする。広報担当者は「営業は継続したが、外出自粛の影響で衣料品の需要が伸びず、在庫が多かったため」と説明する。

 百貨店の山形屋(同)も婦人服、紳士服売り場の6割ほどで、春物、初夏物など一部のセールを始めている。4日、3カ月ぶりに訪れたという同市の50代の主婦は「値引きが早まっていてうれしい。デパートはコロナ禍で大変だと聞く。いい品が安くなっているので買ってみよう、と思う」と品定めしていた。

 春物の先行値下げに続き、夏セールを早める施設も。マルヤガーデンズ(同)は全館セールを1週間前倒しし、19日から開催する。館内一斉のスタートが恒例だが、今年はテナント側の意向を重視、すでに夏物セールを始めた店もある。テレビやラジオ広告は見送る。松見千種マネジャー(46)は「長期化することで、混雑が分散されるのではないか。お客さまの都合のいいタイミングで買い物を楽しんでいただければ」と話す。