はるばる福島から…谷山沖に巨大風車 7月にかけ解体

(2020/06/23 13:00)
福島県沖からえい航された浮体式風力発電設備=鹿児島市平川町
 原子力発電に代わる新たな産業創出を目指し、政府が福島県沖で実証研究してきた世界最大級の「浮体式風力発電設備」(出力7000キロワット)が撤去されることになり、鹿児島市の鹿児島港谷山2区沖に22日、到着した。海面から最大187メートルの高さになる洋上風車は7月中旬にかけて周辺海域で解体される。

 鹿児島海上保安部によると、谷山2区沖約1キロの600メートル四方が工事海域で、解体を請け負った民間企業が警戒線や灯浮標などで注意を促している。同保安部は「近くを航行する際は十分注意してほしい」としている。

 同設備による実証研究は、経産省資源エネルギー庁が東日本大震災と福島第1原発事故からの復興を目指した再生エネルギー事業の一環。152億円を投じ、2015年に運転が始まった。

 同設備は海上に浮かべた土台を固定させて風車を載せ、地上に送電。海面から回転軸までのタワー105メートル、軸から長さ各82メートルの羽根三つが回転し、垂直時の最高点は187メートルに達する。不具合がたびたび生じて安定稼働できず、採算を見込めないとして18年に停止。撤去・解体が決まっていた。

 同庁は本年度、同設備の移動や解体費などを含む関連予算約25億円を盛り込んだ。海面が穏やかで水深が深い鹿児島湾を解体工事の適地とし、えい船と警戒船計6隻が今月9日、福島県楢葉町沖を出航。太平洋の御前崎沖(静岡県)や室戸岬沖(高知県)、佐多岬を経て1407キロをえい航してきた。解体後の部品は北九州市や熊本県八代市などで処理される。