硫黄島戦死者の日章旗、79年ぶり戻る 故郷・薩摩川内の遺族へ

(2020/06/24 06:30)
返還された日章旗を持つ岡元由美子さん(左)と岩切秀雄市長=薩摩川内市役所
返還された日章旗を持つ岡元由美子さん(左)と岩切秀雄市長=薩摩川内市役所
 太平洋戦争中の激戦地・硫黄島(東京都小笠原村)で戦死した、薩摩川内市出身の岡元友義さんの日章旗が23日、遺族に返された。1941年2月に出征して以来、79年ぶり。同市であった返還式で、義理のめいの岡元由美子さん(64)は「遺骨はないが旗だけでも地元に帰って来られた」と感慨に浸った。

 同市と県遺族連合会によると、友義さんは23歳で鹿児島の歩兵第145連隊に入隊。4年後の45年3月、兵長として硫黄島で戦死した。

 日章旗は同島へ参戦した旧米兵の遺品で、遺族が日本側へ返還しようと太平洋戦争史研究家のダニエル・キング氏(米テキサス州)に依頼した。
硫黄島で戦死した岡元友義さん
硫黄島で戦死した岡元友義さん

 旗には「祈武運長久」と大きく書かれ、部隊名や複数の人名、旧川内市の地名が記載されている。今年2月から、キング氏と親交のある京都市の歴史研究家や同連合会が遺族を探していた。

 返還式では、立会人の岩切秀雄市長が旗と、キング氏が採取した同島の砂を手渡した。由美子さんは「面識がなく、返還の連絡を受けた当初は実感が湧かなかった。だが旗を手にした瞬間、テレビの中でしか知らなかった戦争がとても身近に感じた」と語った。川内歴史資料館への寄贈を検討している。

 同連合会によると、これまで返還依頼があった遺品8件のうち、今回の日章旗を含め5件が返還されたか返還のめどが立っている。