鹿児島県内7首長、三反園知事から電話 複数が「選挙協力求められた」 南日本新聞調べ

(2020/06/24 06:30)
三反園訓鹿児島県知事
 7月12日投開票の鹿児島県知事選で再選を目指す三反園訓知事が、複数の首長に集票依頼の電話を掛けていた問題で、県内全43市町村の首長のうち、7人が「立候補するのでよろしく、という電話があった」と南日本新聞の取材に回答した。このうち数人は「三反園氏が地元要望の県事業を挙げるなどして、選挙の協力を求めてきた」と証言している。識者は公職選挙法違反の疑いを指摘する。

 公選法は選挙告示前の事前運動や、知事など特別職を含む公務員が地位を利用して選挙活動することを禁じている。

 電話を受けたと回答した7人のうち6人の自治体は、一騎打ちだった前回2016年の知事選で三反園氏の得票が少なかった。首長らによると、三反園氏からの電話は今年5~6月にあり、「知事選に出るのでよろしくお願いします」「頼りにしています」などと言われた。数人には集票の依頼や県事業への言及があった。

 ある首長は「三反園氏と連絡先は交換していなかった。知らない番号から携帯電話に連絡があったので驚いた」と話す。別の首長は「何かあったら携帯に電話をください、と言われた。『何か』は(事業などの)お願いごとだろう」と述べた。

 「県事業や市町村別の得票の話を持ち出され、圧力を感じた」と証言した首長は、三反園氏が21日、「何を言ったか覚えていない」と釈明したことに反発する。「覚えていないはずがない。公選法違反になるので、発言を認めるわけにはいかないということだ」と語った。

 首長らによると、三反園氏以前の知事からは同様の電話はなかったという。

 南日本新聞は21日付で、「三反園氏が電話で県事業などを持ち出し、集票を依頼してきた」とする首長の証言を掲載。三反園氏は同日、「相手方が誤解をもって受け止めたなら、おわびしたい」と陳謝した。

一線を越え、公選法違反

 公選法に詳しい上脇博之神戸学院大教授(憲法学) 日頃連絡していない首長に選挙のお願いだけで電話するのは、社交儀礼とは言えず事前運動にあたる。公共事業をちらつかせた集票依頼は、公金を私物化する地位利用で、完全に一線を越えている。いずれも公選法に違反する。