バカロレアって何? 国際基準の教育プログラムにチャレンジ 鹿児島修学館中

(2020/07/01 09:33)
タブレットを活用し、スタートのフォームを確認する生徒ら
タブレットを活用し、スタートのフォームを確認する生徒ら
同級生の走る姿を録画。その後の議論に生かす=鹿児島修学館中学校
同級生の走る姿を録画。その後の議論に生かす=鹿児島修学館中学校
 国際的な視野を持つ生徒を育てようと、鹿児島修学館中学校(鹿児島市)が授業改革に取り組んでいる。世界140以上の国と地域で実施する「国際バカロレア(IB)」と呼ばれる教育プログラムに沿って実践し、県内初の認定校を目指している。学校関係者は「鹿児島の教育に一石を投じられれば」と意気込んでいる。

 6月上旬、同校の保健体育の授業。1年生約70人が数人ずつに分かれ、タブレット端末を片手に短距離走を始めた。テーマは「陸上競技の探求」。世界記録保持者のウサイン・ボルト選手の映像を参考に、最も理想的なスタートダッシュの姿勢を分析した。

 「腕をもっと振ったほうが加速するかも」「お尻が下がりすぎている」。タブレットの録画機能を駆使し、互いに走る姿を撮影。改善点を指摘し合い、分からないことは、その場で検索機能を使って調べる。中岳花乃さんは「気付きが多く、常に新しい発見がある。一方的に教えられるだけでなく、自分たちのやり方が見つけられて面白い」と笑う。

 文部科学省によると、「IB」は非営利団体の国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)による世界共通の教育プログラム。「世界の複雑さを理解し、対処できる生徒を育成すること」などを目的に、約50年前に始まった。2018年4月現在、世界5119校が認定されている。

 3~19歳を対象に4種類のプログラムがあり、11~16歳向けの「ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)」は各国で1488校が認定されている。日本国内は16校。修学館中は今年4月、候補校に選ばれた。プログラム導入により、単に知識を得ることにとどまらず、深い思考力や実社会で応用できる力を身に付けさせる教育内容に変えていく。

 同校は現在、中学1年の保健体育と英語で試験的に実施。来年度以降、全ての科目に広げ、数年以内の正式認定を目指している。

 体育科の白川達也教諭(33)は「IB教育は、どの教科でも探究を通して論理的に考えることが重視されている。科学的な分析や説得力ある根拠を導き出す学び方を身に付けさせたい」と強調。中西昭郎校長(66)は「生徒の心の成長にも好影響があると信じている。教員の意識改革も進め、鹿児島に新しい教育観を示していければ」と語った。