住宅街に狩猟用わな やめて 猫受難、戻ってこない左脚 鹿児島市

(2020/07/17 10:24)
「こんな形だった」。手描きのトラバサミを見せる瀬戸武志さん=14日、鹿児島市吉野町
「こんな形だった」。手描きのトラバサミを見せる瀬戸武志さん=14日、鹿児島市吉野町
 使用が原則禁止されている狩猟用のわな「トラバサミ」にかかった野良猫が、鹿児島市吉野町の住宅街で保護された。左後脚の足首付近を挟まれた猫は大けがを負い、手術で根元から切断。今も動物病院に入院中だ。使用禁止のわなが住宅街で見つかったことに、保護した自営業瀬戸武志さん(61)は「子どもが被害に遭わないか」と心配する。

 6月中旬、自宅庭先の木の枝にトラバサミが引っ掛かり逆さづりになっていた猫を、瀬戸さんが見つけた。死んでいると思いペット葬祭場に電話した直後、「ニャー」と鳴いた声が聞こえ、近くの動物病院に運んだという。宙づりで暴れたせいか、傷口からは骨が露出し、膝関節も外れていたため根元から切断を余儀なくされた。

 トラバサミは中央部を踏むと、ばね仕掛けで半円状の刃が閉じて脚を挟む。狩猟用で使われるが、無差別に動物を捕らえ危険性が高く、人やペットがけがをしないように、2007年に改正された鳥獣保護法で特別な場合を除き使用が禁じられた。違反すると1年以下の懲役、または100万円以下の罰金が科せられる。

 瀬戸さんはトラバサミが見つかったことを警察や保健所に相談。警察からはトラバサミは型番が古く所有者不明と説明されたという。

 猫は瀬戸さんが引き取り、「ちゃちゃ丸」と名付けられた。治療費は約20万円。自身のブログで報告したところ、全国各地から支援が寄せられほぼ同額の寄付が集まった。

 県自然保護課はトラバサミを見つけても触らず、自治体や警察などに連絡するよう呼び掛ける。瀬戸さんは「命を大切にする気持ちがあれば使用禁止のわなは使えないはず。動物に危害を与えないで」と訴えた。
左後脚を失った「ちゃちゃ丸」=14日、鹿児島市吉野町の坂口動物病院
左後脚を失った「ちゃちゃ丸」=14日、鹿児島市吉野町の坂口動物病院