時計 2020/07/31 06:00

修学旅行、進む「県内化」 観光支援の一助に期待 鹿児島県

東條広光教育長(奥)と修学旅行について意見を交わす鹿児島県議会観光産業議員連盟のメンバー=県庁
東條広光教育長(奥)と修学旅行について意見を交わす鹿児島県議会観光産業議員連盟のメンバー=県庁
 新型コロナウイルスの収束が見えない中、鹿児島県の学校で修学旅行先を県外から県内に変更する例が増えている。既に市町村立の小中学校の約1割が切り替えた。県議会の観光産業議員連盟は30日、コロナで落ち込む観光産業の支援につながるとして、県内修学旅行の推進を東條広光県教育長に要望した。

 県義務教育課によると、修学旅行を予定する小中は555校。いずれも実施時期を2学期以降にずらした。うち約50校は行き先を県外から県内に変え、約100校は県内を含め変更を検討中。残り約400校は県外を前提に考えるという。

 日当山中(霧島市)の3年生114人は、5月中旬に長崎など九州4県を巡る予定だったが、11月下旬に知覧特攻平和会館(南九州市)や鹿児島市内の観光名所訪問に改める方針。赤崎晃洋校長は「平和学習という旅の目的は変えない。コロナの感染状況に応じ行き先を見直す。中止だけは避けたい」。

 高校では鶴丸(鹿児島市)の2年生319人が、9月中旬に2泊3日で関東を訪れる計画を中止した。宿泊先を指宿、霧島市に変更し、生徒自身で行き先を決める「クラス研修」や体育館を借りてレクリエーションをする見込み。高校教育課によると、県立校は例年11月以降の実施が多い。他に県内を含め行き先変更を考えているのが17校、残り43校は変更なしか中止、県外での行き先変更を検討している。

 超党派でつくる議連が要望書を出すのは6月に続き2度目。県教委は最初の要望の後、県内での修学旅行を検討するよう各市町村教育委員会に2度、通知した。議連の向井俊夫会長は「一定の成果が出ている。郷土の魅力を見直し、愛着心を育む契機になる。観光の『地産地消』を進められれば」と期待する。

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」も始まり、受け入れ側では感染予防対策が進む。県観光連盟の中原国男副会長は「保護者も安心できるよう各施設が努力している」と強調。東條教育長は「改めて各教委や学校に県内旅行を勧めたい。自治体にも受け入れの流れが広まってほしい」と応えた。