寮クラスター 頭痛い対策 生じやすい「3密」、食事や外出ルールを徹底 鹿児島県内の高校

(2020/08/13 17:00)
ラ・サール学園の寮にある食堂テーブルに設置されたアクリル板(同学園提供)
ラ・サール学園の寮にある食堂テーブルに設置されたアクリル板(同学園提供)
 松江市の高校で、寮生らを中心に新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したことを受け、鹿児島県内の寮がある高校も警戒を強めている。集団生活を送る寮では「3密」が生じやすいのが現状だ。各校は食堂や遠征時などの予防策を徹底するが、「接触する機会を少なくするのは難しい」と口をそろえる。

 「どれだけ対策を徹底しても、いつかはクラスターが起こると思っていた」。鹿児島水産高校(枕崎市)の上園正彦教頭は、松江の立正大淞南高校で起きた大規模感染に、寮内での感染対策の難しさを明かす。

 鹿児島水産高では寮生70人が生活し、一部屋に3~4人が同居。互いの部屋を訪問するのを禁じ、食事の際は三つに班を分けて時間をずらすなど可能な限り接触の機会を減らしているが、目が行き届かない部分も多いという。

 600人の寮生がいるラ・サール学園(鹿児島市)は、寮生の感染者が確認された4月以降、飛沫(ひまつ)感染を防ぐため食堂の机にアクリル板を設置。検温時は毎回、体温計を寮の管理人に見せるなど体調管理も徹底する。

 「寮内の3密を防ぐのは物理的に難しい。ウイルスを持ち込ませないことが重要」と宮崎利広教頭。8月13~16日のお盆休みは生徒の帰省を原則禁止し、盆明けの2週間は部活動の練習試合を県内外を含め全て取りやめる方針だ。

 神村学園(いちき串木野市)は寮生450人のうち、約半数が部活動生。県外遠征では公共交通機関を使わず、外出時は会場と宿泊施設の往復のみに制限するなどルールを設ける。山田浩一校長は「部活動と感染対策の両立が悩ましい。遠征は行き先の感染状況なども踏まえ慎重に判断している」と強調する。

 鹿児島情報高(鹿児島市)は寮生の外出は食事の買い物などに限定して1時間以内、店内に入るのは15分以内としている。生徒の感染の疑いに備え、空き部屋も用意するが、収容できるのは4人にとどまる。栗毛野(くりげの)信一副校長は「1人でも感染者が出れば、一気に広まる怖さがある」と不安を口にした。

 感染症に詳しい関西福祉大学の勝田吉彰教授(渡航医学)は「食事中は感染リスクが高くなり、対面にならない配置やアクリル板の設置などが有効。クラスターを起こさないためには、感染が疑われる生徒を速やかに別の建物に移動させるなどの対応が必要だ」と指摘した。