時計 2020/09/04 20:00

20人犠牲、扇山土石流災害から27年 金峰で語る会

27年前の土石流災害について語る東馬場伸さん=南さつま市金峰町大坂
27年前の土石流災害について語る東馬場伸さん=南さつま市金峰町大坂
 南さつま市金峰町で21人が犠牲になった土石流災害から27年目の3日、同町大坂の扇山公園で、当時の体験を語る会があった。救出活動をした市消防団長の東馬場伸さん(69)が参加。住民や行政職員ら約30人が「風化させない」との気持ちを共有した。

 扇山地区では1993年9月3日、台風13号が襲来し、土石流が避難先の民家を直撃、20人が犠牲になった。白川地区でも1人が亡くなった。

 同公園では5年おきに消防団などを中心に慰霊祭を行っている。今回は「節目だけではなく災害の記憶を継承する場を設けよう」と南さつま警察署の若手でつくる若鮎(わかあゆ)会が音頭を取った。

 東馬場さんは当時、町消防副団長。午後5時ごろ、災害の一報を受けた。「大量の倒木と岩に阻まれ、到着は同9時ごろだった。山野の緑は消え、滝のように水が流れていて、絶望感に襲われた」と当日を振り返った。

 翌朝から不明者捜索を始めた。中学1年生の遺体を発見した際は、わが子と重なり、捜索に加われなくなった。「昨日のように思い出す。二度とこんな災害が起こらないようにしたい」と結んだ。

 毎年この日に慰霊している市金峰更生保護女性会の坂上豊子さん(84)は「後世に伝える責任を改めて感じた」。若鮎会の岩田享博さん(29)は「悲惨な災害を忘れず防災に生かしたい」と話した。参加者は21人の名が刻まれた慰霊碑が建つ公園を清掃し、献花した。