時計 2020/09/22 11:00

奄美リュウキュウアユは栄養不足 餌の藻は体内にわずか 鹿児島大・久米准教授ら「過酷な環境」

奄美大島にのみ生息するリュウキュウアユ(奄美リュウキュウアユ保全研究会提供)
奄美大島にのみ生息するリュウキュウアユ(奄美リュウキュウアユ保全研究会提供)
 奄美大島のみに生息する「リュウキュウアユ」の体内から栄養源となる藻がほとんど確認されず、餌が取れない過酷な環境にいることを、鹿児島大学水産学部の久米元准教授(46)=魚類生態学=らの研究チームが明らかにした。近く学術誌に掲載される。

 リュウキュウアユは環境省レッドリストの絶滅危惧ⅠA類で、成魚は最大15センチほど。研究チームは2015、16年に川内川、住用川、役勝川の計48匹を解剖したところ、いずれも消化管の9割以上が生物や微生物の死骸やふんなどの有機物粒子「デトリタス」で埋まっていた。

 デトリタスはボラの仲間などの栄養になるとされるが、リュウキュウアユの栄養にはならないと、炭素と窒素の成分比を解析して突き止めた。カワゲラなど栄養源となる昆虫の検出はわずかだったという。

 山々から川に流れ出る水の中には、藻類の栄養源となる窒素やリンが少なく、藻が生えにくくなっているという。

 久米准教授は「原因については今後研究を進めていく。世界自然遺産登録を目指す中、生物の多様性を守るため環境にもっと目を向けてほしい」と語った。11月刊行の魚類学雑誌に掲載予定。