時計 2020/09/23 20:00

「昔の風景取り戻す」 散歩道の整備続けて10年 肝付町の江口さん

整備した堤防に立つ江口正勝さん=肝付町北方
整備した堤防に立つ江口正勝さん=肝付町北方
 肝付町北方の江平集落の江口正勝さん(77)は、地元の廣瀬川沿いを10年前から1人で整備し続けている。年3回、渕尻橋から下流の町道につながる約500メートルのやぶを払って散策路をつくる。子どもの頃に泳いだり、魚を捕ったりして遊んだ川。「以前の風景を取り戻し、地元の人に楽しんでもらえたら」と願う。

 江平で生まれ育った江口さんは中学卒業後に県外に就職。2007年に帰郷すると、川の周辺は雑木や竹が生い茂り、人が立ち入れない状況になっていた。以前は餌に使うため雑草を刈っていた畜産農家が減って荒れ始め、イノシシも現れるようになったと聞いた。

 10年に草刈り機を購入、伐採を始めた。雑草が増える春や夏を中心に、それぞれ約2週間かけて、人と車が通れるよう幅2~3メートルの堤防のやぶを払ってきた。周辺に畑を持つ村山宣夫さん(78)は「イノシシが出て、やぶには困っていた。とてもありがたい」と喜ぶ。

 整備後、川沿いを散歩する人も見られる。近くの小野原友子さん(66)は「川や山を見て、鳥のさえずりを聞きながら気持ち良く歩ける」と感謝する。

 江口さんは2年前からヒガンバナも植えている。「自分の生活の目標にもなっている。今後もマイペースで続けたい」と話している。