時計 2020/09/24 15:00

衆院鹿児島1区支部長不在3年 県都の自民公認誰に 宮路氏に現職の重み、新人保岡氏は比例も

自民党県連定期大会で同席する宮路拓馬氏(左)と保岡宏武氏=6月、鹿児島市のホテル
自民党県連定期大会で同席する宮路拓馬氏(左)と保岡宏武氏=6月、鹿児島市のホテル
 16日発足した菅義偉内閣は各報道機関の世論調査で6~7割という高い支持率となり順調に滑り出した。早期の衆院解散もささやかれる中、自民党の鹿児島1区は次期選挙の公認候補となる支部長の不在が続く。2017年の前回選挙で議席を失って以降、党県連は比例九州の現職宮路拓馬氏(40)と、落選した新人保岡宏武氏(47)を競わせたまま、3年近く決め切れずにいる。関係者からは焦りと不安が漏れる。

 「衆院は常在戦場。いつ選挙があっても対応できるようにしてほしい」。8月上旬、党県連の会合で、森山裕会長は国会議員や県議、鹿児島市議を前にこうハッパを掛けた。

 県連では「勝てる候補」を条件に掲げたまま、1区支部長問題はここ2年以上、正式議題に上がっていない。市議の1人は「県連が絞ってくれなければ、動きたくても動けない」とぼやく。

■任期来秋まで

 選考作業が事実上止まっている一方、衆院任期は来秋に迫る。

 宮路氏は今夏、支持者開拓のため、親族のつてを伝って協力を呼び掛ける文書を送った。長い期間を鹿児島市で過ごし、つじ立ちやあいさつ回りに汗を流した。「小選挙区から選ばれて一人前。次の選挙ではこれまでの成果や地力が問われる」

 保岡氏も夫婦で街角に立ち露出増に力を入れる。8月下旬にはコロナの影響で自粛していたミニ集会を再開。校区ごとに40ある後援会で結束を図った。「一度負けたからといって諦めたり、選挙区を変えたりはしない。地元密着でやっていく」

■2人生きる道

 1区の支部長争いを地元議員はどう見るのか。「比例とはいえ宮路氏の現職の肩書は重い。本人も頑張っており、着実に支持を広げている」とベテラン市議。県議の1人は「保岡氏の後援会の顔触れは、多くの自民市議の支援者と重なる。父の興治氏から続く人脈は強い」と指摘する。

 最近こんな話も聞かれる。「宮路氏を1区、保岡氏は比例にして様子を見るのでは」。仮に保岡氏が比例で実績を重ねていけば、父興治氏=19年死去=の出身・奄美を含む2区への道が開けるとの見立てだ。2区自民現職の金子万寿夫氏(73)は興治氏の元秘書で縁もある。森山会長がこれまで口にしていた「2人が政治家として生きる道を模索する」との言葉にも沿う。

■熱冷める?

 「熱が少し冷めつつあるようだ」。党総裁選が終わった9月中旬、森山会長は解散の可能性をこう説明し、続けた。「1区の支部長は、現職の立場を考えつつ、定期的な情勢調査を見て判断したい。陣営がいがみ合わず、(支部長に)絞られた人のために努力できるかが大事」
 前回選挙で、公示2日前にがん治療のため引退表明した父の後継として立った保岡氏は、旧立憲民主の川内博史氏(58)=6期=に1868票差で惜敗した。準備不足や世襲批判に加え、枝野幸男氏が設立した立民旋風が吹いた点も大きかった。

 1区は浮動票が多く、15日結党した新たな立民の影響を気に掛ける自民関係者もいる。自民の中堅市議は「誰もが納得できる理由で決着を付けなければ、再び1区を落とすことになる」と懸念する。