時計 2020/10/19 08:50

前知事の三反園氏、謎のつじ立ち 衆院選鹿児島2区出馬への布石か 

通勤中の車に笑顔で手を振る三反園訓氏=鹿児島市東谷山4丁目
通勤中の車に笑顔で手を振る三反園訓氏=鹿児島市東谷山4丁目
 7月の鹿児島県知事選で落選した前知事の三反園訓氏(62)が、県内で朝のつじ立ち活動を展開している。奄美や鹿児島市南部を中心としているため、次期衆院選で鹿児島2区からの立候補も取り沙汰される。

 10月上旬、谷山地区で行き交う車に手を振り笑顔を見せる三反園氏の姿があった。手には何も持たず、足元は白いスニーカー。前知事と気付いて手を振り返したり、「頑張れ」と声掛けしたりする人も少なくない。

 つじ立ちは落選直後に始まった。毎朝場所が変わり、会員制交流サイト(SNS)には目撃情報とともに「鹿児島市長選出馬か」「次の参院選狙いでは」との見立てが流れる。

 特に多いのが衆院鹿児島2区での立候補のうわさ。つじ立ちの場所が2区に集中している上、谷山周辺では三反園氏自ら戸別訪問し、テレビ記者時代の取材歴や知事時代の実績を記したビラを配っているからだ。

■感謝込めて
 三反園氏は「知事を務めた4年間のお礼と、県民への感謝の思いを直接伝えるため」と説明する。2区立候補の可能性は明言を避けつつ、「国会議員として鹿児島のために働いてほしいとの要望も多く、重く受け止めている。応援してくれる皆さんにどう応えていくか真剣に考えている」。

 7月の知事選で三反園氏は自民・公明両党の推薦を得たものの、新人の塩田康一氏に鹿児島市で4万3千票余り差をつけられ敗れた。ただ地元の指宿市や南九州市、枕崎市、奄美地区などでの得票は1位だった。「知事時代に奄美群島を27回訪問した」と自負する三反園氏。奄美の関係者は「奄美のために頑張ってくれたと評価する声を聞く。仮に立候補すれば、票が流れる可能性はある」とみる。

 県議の1人は、三反園氏が自民の二階俊博幹事長と親交があることを挙げ、「無所属で出て当選したら、自民入り、二階派入りを目指すのでは」と推測する。別の県議は「知事選では自公の組織票が動いた。無所属では厳しいだろう」と話す。

■「反応せず」
 自民関係者からは「そもそも『自公推薦』『現職1期目』の知事が敗れた事実をどう受け止めているのか」と疑問の声も聞かれる。

 2区自民現職の金子万寿夫氏(73)は、三反園氏の活動を「ご自身の考えでやっていること。反応すべきものではないと思っている」と多くを語らない。衆院議員の任期が間もなく1年を切る中、地盤固めを進めている。2区では他に共産党県委員会が新人で元県議の松崎真琴氏(62)を党公認で擁立すると発表している。