時計 2020/11/21 20:30

鹿児島市長選 自民結束にほころび 市議団は推薦決定のしこり 衆院1区公認狙う2人動き活発

自民県連が推薦する立候補予定者のチラシを配る(右)宮路拓馬氏と(左)保岡宏武氏=鹿児島市
自民県連が推薦する立候補予定者のチラシを配る(右)宮路拓馬氏と(左)保岡宏武氏=鹿児島市
 鹿児島市長選の告示が22日に迫る中、自民党県連は推薦した立候補予定者の支援に力を入れる。ただ、一枚岩の態勢づくりに手間取っているようだ。衆院解散・総選挙をにらみ、鹿児島1区での党公認を狙う2人が党への貢献度を競うように動きを活発化させる一方で、市議団には推薦決定のしこりが少なからず残っている。

 14日、鹿児島市であった県連の市長選懇談会。県議や市議、友好団体の関係者ら約100人を前に、比例九州選出の宮路拓馬氏(40)と新人の保岡宏武氏(47)は、県連が推薦する上門秀彦氏(66)への支援を呼び掛けた。

 元総務官僚の宮路氏は、出向した広島市での3年近い経験として「市長が革新から保守に交代し、市政にダイナミズム(迫力)が生まれた」と紹介。「(市役所出身市長が続く)鹿児島市にも変革の流れが必要だ」とあいさつし協力を求めた。

 保岡氏は「名刺入れの半分は上門先生の分を入れ、市民に知ってもらおうと配っている」と、日頃の活動でのエピソードを披露した。上門氏の後援会長が市幼稚園協会長という点にも触れ「子どもたちのためにも勝ち抜こう」と力を込めた。

■温度差
 「存在感を見せたい」と2人が意気込む半面、選挙の主力となるべき自民党市議団の中には冷ややかな声もある。背景には立候補を巡る混乱がある。

 現職の森博幸氏(71)は9月上旬、4期限りでの勇退を表明。次期市長選に意欲を見せたのが、当時市議団団長の上門氏と副団長の仮屋秀一氏(68)だった。同僚市議らの求めに応じて開いた協議は、両者とも引かずに難航。組織の分裂も懸念される事態に、約3週間後、仮屋氏が引く形でようやく決着した。

 一連の流れに、市議団内から「出たい出たいばかりでまとまりがない」「調整してから手を挙げるべきだった」との批判が漏れる。“一本化”への経緯を含めて不信感を募らせたあるベテランは団を離脱し、他の立候補予定者の支援に回った。「組織は一枚岩とは言い難い」と市議団の1人。

 別の市議は「県連も市支部も市議団にも、何が何でも勝つという雰囲気がない」とぼやく。その象徴と捉えるのが、上門氏の市議辞職に伴い市長選と同時にある補欠選挙(欠員1)だ。自民系の元職3人が出る予定で「票が割れてしまう。市長選も補選も負け、自民議席が減るだけの寂しい結果にならないだろうか」と危惧する。

■緊張感
 自民市議の間で盛り上がりを欠く市長選とはいえ、宮路、保岡両氏は公認獲得に向けて気を緩められない。

 菅内閣で総務政務官に就いた宮路氏。災害発生に備え、東京23区内にとどまる「在京当番」が選挙期間中に当たっていた。同僚の政務官と調整し、告示前後の3連休や29日の投開票日は地元入りできるようにした。

 県連ふるさと創生支部長の保岡氏は、市内各地に40の地域後援会を持つのが強み。上門氏が回りきれない地域を中心に、自身の支援者にチラシを配って支持固めを図っている。「市民の関心を高め保守旋風につなげたい」

 衆院選の党公認候補は前提として選挙区の支部長に選ばれるが、1区は前回2017年の選挙以降、空席が続く。党県連は「勝てる候補」を支部長に据える方針で2人を競わせている。県連の森山裕会長は「市長選での2人の頑張りは当然、公認選びに関係する。党も見ている」と話す。