時計 2020/11/25 09:30

鹿児島・日置5人殺害公判 被告「悪質行為続けられ爆発」 父以外4人に謝罪なく「因果応報」

鹿児島地裁
鹿児島地裁
 2018年に日置市東市来町湯田の民家で男女5人が殺害された事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われた近くの無職岩倉知広被告(41)の裁判員裁判第4回公判が24日、鹿児島地裁(岩田光生裁判長)であった。岩倉被告は被告人質問で、父親の正知さん=当時(68)=を除く4人について「長い間、執拗(しつよう)に自滅させるような悪質な行為を続けられ、我慢ならなくて爆発した」と述べた。

 同日は、弁護側が犯行に至る経緯や状況などを尋ねた。弁護側は「被告が10年以上前に妄想性障害を患い、病状が深刻な状態にあった」などとして限定責任能力(心神耗弱)を主張している。

 岩倉被告は、一連の事件の引き金になったとされる祖母の久子さん=同(89)=への暴行について、悪口を言い始めたため詰め寄ったところ「あざけるような顔を目にし、全てがフラッシュバックした」と供述。怒り狂って殴り続け、耳から血があふれるのを見てわれに返ったという。

 しばらくして包丁を持ち出した正知さんともみ合いになり、「落とそうと左腕を首に巻き付け、考え事をしてしまった」と主張。その後、倒れていた久子さんを再び殴った際の殺意は認め、2人を山中に埋めた理由は「腐敗する姿を見たくなかった」と答えた。

 祖母宅に数日間とどまったのは「執拗に嫌がらせなどをしてきた伯父に復讐(ふくしゅう)するためだった」と強調。伯母の岩倉孝子さん=同(69)=やその姉の坂口訓子さん=同(72)、伯父の知人の後藤広幸さん=同(47)=も「行為に深く関わっていると思った」などと話した。

 5人を死亡させた心境を問われると「父については謝りたい」と述べた。一方、他の4人には「謝るつもりはない。因果応報だと思う」と謝罪を拒んだ。

 25日は、検察側から質問があり、精神鑑定をした医師の証人尋問も予定している。