時計 2021/01/19 06:30

廃校プールで全国初の水上太陽光発電 冷却効果で効率アップ 南さつま・エルムが有効活用

太陽光発電のパネルを浮かべたプール=南さつま市加世田津貫
太陽光発電のパネルを浮かべたプール=南さつま市加世田津貫
 南さつま市の精密機器メーカー、エルムが18日、2016年に閉校した同市加世田津貫の旧津貫小学校プールで水上太陽光発電を始めた。水を機器の冷却に活用し、発電効率を高める。同社によると、廃校プールでの太陽光発電は全国初。県内外で同様の計画を進めており、廃校の有効活用を図る意向だ。

 同社によると、廃校は現在全国に約6500校。2次利用しやすい校舎と異なり、プールは維持や撤去に費用がかかるという。各地で処理に困っている現状を受け、2年前から試験を進めていた。

 地上の太陽光発電は熱に弱く、夏は発電効率が落ちるが、水上の場合は冷却効果で10~15%効率がアップすると想定。雑草や樹木を伐採する手間も不要でメンテナンス費用抑制のメリットもある。

 同校プールは25メートルと6メートルの大小二つあり、幅11メートル。水を張り、自社開発したフロート(浮き)を浮かべ、パネルを計160枚設置した。更衣室を変電設備に利用。外周フェンスもそのまま生かし、事業費を抑えた。年間発電量は20世帯分を賄える6万1235キロワット時を見込み、九州電力に売電する。将来は蓄電池に充電し、災害時の停電の際、避難所に供給する構想もある。

 プールサイドで通電式があり、本坊輝雄市長らが「再生可能エネルギーの先駆的なモデルとしてエネルギー自給率の向上、地域活性化に資する」と期待を示した。旧津貫小のほか、現在までに同市、さつま町、岡山県の計15校で予定しており、宮原隆和社長は「廃校プールは厄介者だった。発電で価値あるものに変えていきたい」と話した。