
「こつこつ努力」…馬術特訓姿、笑顔忘れられない 大学仲間ら悲しみ癒えない2週間 鹿児島市ひき逃げ
男性が使っていたヘルメットやブーツ、手袋など。これらを身に着け、練習していた=23日午後、鹿児島市の鹿児島大学
昨年の新入生は新型コロナウイルスの影響で例年より数カ月遅れて入部した。福岡県出身で獣医師を目指していた男性は一番遅い9月初旬だった。自己紹介で「遅れを取り戻すよう頑張る」と意気込んでいた。
例年10人前後の新入部員は5人。馬の世話など一人一人の仕事が増える中、男性は率先してこなした。ほかの男性部員は「頼れる存在。同級生や先輩に慕われていた」と振り返る。この4月から副主将になるはずだった。
「静かに、こつこつと努力していた」。女性部員は男性のひたむきさが印象に残っている。先輩や監督の助言をすぐに実践。当初、10分程度の乗馬で顔が青ざめるほど体力面に不安があったが、少しずつ技術と体力が向上した。乗馬クラブの男性インストラクターも「彼はうまくなる」と期待していた。
事件の数日前からは障害物を飛び越える練習を始めた。前日の8日朝、顧問から約30分つきっきりで指導を受けた。体力の限界に達し、終わると倒れ込んだ。心配して取り囲んだ仲間に「大丈夫です。でも疲れました」と爽やかな笑顔を見せたという。
男性の遺品は現在、鹿大郡元キャンパスの厩舎(きゅうしゃ)内にある部室に大切に保管されている。「これから先も毎日、少しずつ成長していくはずだった。彼の死からまだ立ち直れていない部員もいる」。男性部員は言葉少なに語った。
事件現場には23日夜も、30以上の花束や、飲み物が手向けられていた。近くの廣照寺の住職今林実嗣さん(67)は「今でも毎日、数組が花を供えて手を合わせていく。痛ましく、あまりにかわいそう」としのんだ。
事件は9日午前5時50分ごろ、鹿児島市大竜町の国道10号上本町交差点で発生。鹿児島中央署は、横断歩道を自転車で渡っていた男性を車ではね、救護せず逃げて死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、姶良市平松、建設作業員の男(25)を逮捕した。アルコールの影響で正常な運転が困難な状態だったとして、より刑が重い自動車運転処罰法違反(危険運転致死)容疑での立件を視野に捜査を進める。
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