時計 2021/03/06 09:00

ホテル2児遺体発覚1週間 鹿児島との接点、福岡からの足取り捜査 入院の父、聴取見通せず 

事件があったホテルの捜査を終える警察官=鹿児島市
事件があったホテルの捜査を終える警察官=鹿児島市
 鹿児島市のホテルの一室で幼児2人の遺体が見つかった事件は5日、発覚から1週間となった。県警は死因などから殺人事件と断定。2人の父親でベランダから飛び降り入院中の福岡県飯塚市の男性(41)が事情を知っているとみられ、回復を待っている状況だ。福岡県警と合同で捜査を進め、足取りなどを調べている。

 鹿児島県警などによると、2月25日午前、串間市の商業施設で「福岡ナンバーのレンタカーが放置されている」と通報があった。借り主は福岡県飯塚市の男性(41)と分かり、福岡県警が自宅を訪ねたところ、養子の男児(9)の遺体が見つかった。

 男性は離婚しており、子ども3人との4人暮らし。長男(3)、長女(2)とともに所在が不明で、同県警は「事故遭遇の恐れがある家出人」として手配した。

 26日朝、宮崎県警から「24日に男性と子どもが鹿児島方面に列車で向かっている」と連絡があり、鹿児島県警は県内各署に手配。26日午後、3人が鹿児島市のホテルに宿泊していることを確認した。

 午後7時ごろ、ホテル4階の一室に福岡県警が踏み込むと、男性はベランダから飛び降りた。幼児2人が死亡しており、遺書も見つかった。司法解剖の結果、2人の死因は首の圧迫による窒息死だった。

 男性は腰や脚など複数カ所を骨折する重傷。搬送時は意識があったが、その後は鎮静剤で眠らせるなどし、会話ができない状態という。全治まで数カ月程度かかるとみられ、県警は「聴取には医師の許可が必要で、しばらくは難しい」とみる。

 部屋に踏み込んだ際、周辺には鹿児島県警を含め10人以上の捜査員がいた。子どもを人質にした立てこもりなども想定し、しばらく様子を見てから声を掛けたという。男性はベランダにおり、突入後すぐに飛び降りた。

 遺書には「3人で一緒に死ぬ」などと自殺をほのめかす内容が記されていた。宛先はなかったが、特定の人に連絡を求めるような内容が含まれていたという。走り書きのようなもので、男性が書いたとみられる。

 男性は18日に福岡市でレンタカーを借り、22日に返却予定だった。23日に宮崎県内で目撃情報があり、鹿児島市のホテルには24日から3泊の予定で、昼ごろチェックインしたとみられる。司法解剖で、2人が死亡したのは26日昼ごろと推定されている。

 24日午前、男性らとみられる親子を乗せたタクシー運転手の男性によると、ホテルに向かう理由を尋ねると、男性は「ゆっくりしたかったから」と答えた。「鹿児島には昔、修学旅行で来たことがある」とも話した。車内で親子の会話はなく、荷物を持っていなかったという。

 県警は現時点で鹿児島との接点を「不明」とし、「今後の捜査で明らかにする」としている。足取りも判明していない部分があるという。今後、男性の回復を待って詳しく事情を聴く方針だ。
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