時計 2021/04/08 23:00

「宴会するなということか」 鹿児島県の会食4人以下ルール 飲食店・ホテル胸中複雑

会合のために並べられた机。通常3人掛けの長机に1人だけ着席し、参加者同士の間隔を空けている=8日、鹿児島市の鹿児島サンロイヤルホテル
会合のために並べられた机。通常3人掛けの長机に1人だけ着席し、参加者同士の間隔を空けている=8日、鹿児島市の鹿児島サンロイヤルホテル
 新型コロナウイルス下、鹿児島県職員が開いた大人数の送別会が波紋を広げている。県が「少人数、短時間」を呼び掛けるさなかの開催に、県民から憤りや戸惑いの声が上がる。厳しい経営が続くホテルや飲食店は、県が職員に示した「会食は4人以下」との厳密な人数制限に、複雑な思いを漏らす。

 県の観光課職員ら39人と、情報政策課(現デジタル推進課)職員17人が3月下旬、鹿児島市のホテルで送別会を開いたことが相次ぎ発覚。県は7日、国の方針も踏まえ「4人以下、2時間以内」で飲食を伴う会合を開くよう職員に周知した。

 友人との飲み会を1年以上控えている鹿児島市春山町の会社員松山伸一さん(51)は「送別会は必要至急の用事なのか。県民に示しがつかない」。同市で社員約20人の会社を経営する長谷川光洋さん(53)は「周囲の目や従業員家族の不安を考慮し、社外での会食は長く開いていない。県も少人数での開催などやり方を考えればよかった」とみる。

 霧島市隼人町朝日の自営業山下友紀さん(43)は、数十人規模の会食は「あり得ない」との立場。ただ県の「4人以下」ルールについては「一律に制限する必要があるのか。部屋が広ければ、人数が増えてもいいのでは」と指摘する。

 鹿児島市の鹿児島サンロイヤルホテルの池田司総支配人(67)は、4人以下の基準に「宴会をするなと言っているようなもの」と肩を落とす。例年3月中旬から企業や自治体の歓送迎会で宴会場の予約が埋まるが、今年はほぼゼロ。会合も飲食を伴わないものばかりだ。

 8人掛けの円卓を4人掛けにし、二つの部屋を使って通常の倍の広さにする取り組みを徹底しているだけに、やるせなさが募る。「感染対策を取るホテルなら人数が増えても大丈夫だと、自治体が積極的に情報発信してもらえたらありがたい」と訴える。

 「これってそこまで悪くないって思うんだけどなぁ。謝ってほしくないなぁ」。鹿児島市天文館で焼き肉店を営む原口武義さん(45)は、塩田康一知事が職員の送別会開催を受け謝罪のコメントを出したと知り、会員制交流サイト(SNS)に感想をつづった。「時短要請中でも、密でもない。これが糾弾されたらみんな動けなくなる」

 大阪府などでまん延防止等重点措置が始まった5日以降、客足が再び止まった。6日はたった2人だった。対策を講じた上で歓送迎会を積極的に開くようメッセージを出した山梨県を引き合いに「県も4人以下ならどんどん飲食して、と前向きな呼び掛けはできないのだろうか」。