時計 2021/04/10 07:00

まるで城壁 江戸時代に築かれた段々畑の石垣・南さつま市笠沙

山の斜面に築かれた段々畑跡の石垣=南さつま市笠沙町片浦
山の斜面に築かれた段々畑跡の石垣=南さつま市笠沙町片浦
 南さつま市笠沙町片浦の国道226号沿いの谷山集落にある江戸時代後期に築かれた段々畑跡の石垣が、春の草払いで姿を現した。同市の街道八景の一つになっている山の斜面に連なる光景は、まるで城壁のよう。

 市笠沙支所によると一帯は耕地面積が少なく、近隣から同集落に移住した住民が山を開墾したのが段々畑の始まり。掘り出した石を積み上げるうちに、山裾まで30段を超えた。温暖な気候を利用した花きのほか、高齢化で人口が減少する1990年代初頭までサツマイモやキヌサヤを生産していた。

 広さは国道を境に上が約6600平方メートル、下が約3200平方メートル。私有地で観光用に市が無償で借りて管理している。国道上は階段が付いており中間の展望所まで80メートル、さらに70メートル登った最上段付近にも展望所があり、東シナ海を一望できる。

 雑草に覆われるため、春と秋に手入れする。出勤途中の焼酎杜氏(とうじ)、宿里初男さん(71)=同市加世田ハーモニー=は「山城のような趣があり目を奪われた。先人の労苦がしのばれ残したい景観だ」と話した。