時計 2021/04/16 21:00

血液で乳がんを早期発見 シンプルで負担少ない検査法 鹿児島県内で臨床試験 国立がん研究センターなど

乳がんの新たな検診法の開発について説明する下村昭彦医師(左)ら=15日、鹿児島県庁
乳がんの新たな検診法の開発について説明する下村昭彦医師(左)ら=15日、鹿児島県庁
 国立がん研究センターなどは、血液から乳がんを早期発見する検査法の開発を目指し、鹿児島県内で臨床試験を始める。血液中の微少な物質「マイクロRNA」を測定する。関係者が15日、県庁で会見し「実用化すれば、簡便で体への負担が少ない検査法になる」として協力を呼び掛けた。

 通常の検診で使われるマンモグラフィーは痛みを伴い、放射線の被ばくも懸念される。日本の乳がん検診の受診率は約4割で、約7割の欧米より低く、より簡単で安全な検査法が求められている。

 がん研究センターを中心とするグループは、がんの発生を制御していると考えられる「マイクロRNA」に着目。1回の採血から早期にがんを見つけるシステムを開発してきた。がん細胞から血液に漏れ出る微量のマイクロRNAを検出し、がんの有無を調べることを目指している。

 臨床試験は5月から本格化し、対象は県民総合保健センター(鹿児島市)の乳がん検診を受ける40~69歳の女性。同意者には採血と同時にマンモグラフィー検査と超音波検査を受けてもらう。画像検査と結果を比較し、早期発見マーカーとしての性能を検証する。本年度中に北海道、福井、愛媛を含む4道県で計3000人を集める計画。

 試験に携わる国立国際医療研究センターの下村昭彦医師は「血液検査で画像診断を受けた方がいいと分かれば、マンモグラフィーをためらう人にも検査を勧めやすくなる」と話した。