時計 2021/04/20 23:03

馬毛島でF15デモ飛行「地元に相談なかった」「住民の要望に応えた」 種子島の1市2町、温度差浮き彫り

報道陣の取材に応じる西之表市の八板俊輔市長(右)=20日、同市役所
報道陣の取材に応じる西之表市の八板俊輔市長(右)=20日、同市役所
 西之表市馬毛島への米軍空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転を含む自衛隊基地整備を計画する防衛省は20日、騒音の程度を住民に体感してもらうために、航空自衛隊のF15戦闘機によるデモ飛行を5月に実施すると発表した。八板俊輔市長は「地元に相談もなく、通告みたいだ」と納得がいかない表情を見せる一方、中種子、南種子の両町長は「(デモ飛行は)住民の要望で情報提供の一つ」と理解を示した。種子島1市2町の温度差が浮き彫りとなった。

 八板市長は「(急降下、急上昇する)タッチ・アンド・ゴーをせず、空母艦載機ではない。時間帯も短い」とし、想定される訓練との乖離(かいり)を指摘。「住民の要望に応えず、本当に残念だ」と述べた。公務の都合がつけばデモ飛行を見る考え。市独自の音量測定は「検討する可能性がある」とした。

 中種子町は町内への自衛隊施設誘致に取り組む。「住民の要望に応えるのはいいこと。町民も戦闘機の音を肌で感じられる」と田渕川寿広町長。計画への賛否や施設誘致を表明していない南種子町の小園裕康町長は「騒音を懸念する声は多く、デモ飛行の情報を積極的に町民に伝えたい」と語った。両町とも独自に音量を測定する考えはないという。

 計画に反対する市民・団体連絡会の三宅公人会長(68)=西之表市=は「基地ができるとどんな日常になるか。住民が自覚できる機会になる」と冷静に受け止める。5市町で音量を測り公表する方針の防衛省に「全数値をしっかりと明らかにして」と念を押した。

 計画に賛成する市民団体の折口金吉会長(69)=同=は「デモ飛行を歓迎したい。訓練のイメージが湧き、理解を得る一助になる」と話す。ただ発表の在り方に関し「地元自治体や協力者にもう少し早めに知らせてから進めてもいいのでは」と注文した。