時計 2021/05/13 22:30

犯罪被害者支援条例制定へ 鹿児島県、検討委を近く設置 21都道府県は制定済み

電話で応対するかごしま犯罪被害者支援センターの相談員
電話で応対するかごしま犯罪被害者支援センターの相談員
 鹿児島県は本年度、犯罪被害者やその家族らの生活再建に向けて「犯罪被害者等支援条例(仮称)」の策定に乗り出す。有識者らで構成する検討委員会を近く立ち上げ、年度内の議案提出を目指している。全国21の都道府県で条例制定された中、県内で支援に特化した条例はない(昨年4月1日時点)。

 県くらし共生協働課によると、県警、弁護士会、医師会など関係機関・団体で構成する県犯罪被害者等支援連絡協議会で以前から条例制定を求める意見があった。条例には他の都道府県などと同様に基本理念のほか、県や県民の責務などを規定することを想定する。

 関連費用46万円を当初予算に盛り込み、弁護士や医師、臨床心理士など犯罪被害者支援に携わる人を中心に委員の人選を進めている。検討委を経て条例案をまとめ、パブリックコメント(意見公募)を実施する予定。

 警察庁のまとめによると、犯罪被害者らの支援に特化した条例を制定しているのは九州・沖縄では福岡、大分など4県に及ぶ。鹿児島県内では鹿児島市と姶良市が、まちづくり条例の一部に犯罪被害者への配慮を規定している。同課は「支援する機運を醸成し、2次被害の防止などにつなげたい」としている。

 既に条例を制定している都道府県の一部は、犯罪被害者やその家族らを対象に経済的支援をしている。岐阜と三重は見舞金、山形と神奈川、和歌山は貸付金制度を導入。見舞金や貸付金は都道府県ではなく、市町村単位で給付する例が目立つ。

 鹿児島県弁護士会犯罪被害者支援委員会の溝川慎二委員長は「鹿児島は全国の中でも後れていた。支援拡充には条例が必要」と指摘。かごしま犯罪被害者支援センターの永家南州男事務局長は「被害者にとって最も必要なのは経済的な支援。県内各市町村にも条例制定の動きが広がることを期待したい」と話した。
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