時計 2021/05/16 06:00

離島防衛能力を内外に誇示 中国けん制 日米仏共同訓練始まる 霧島演習場

陸上自衛隊水陸機動団(右)と連携して市街地戦闘訓練をする米海兵隊=15日、霧島演習場(陸自提供)
陸上自衛隊水陸機動団(右)と連携して市街地戦闘訓練をする米海兵隊=15日、霧島演習場(陸自提供)
 陸上自衛隊と米海兵隊、フランス陸軍による日米仏共同訓練は15日、陸自霧島演習場(湧水町、えびの市)で始まり、報道陣に一部公開された。日米仏の陸上部隊が国内で実動訓練をするのは初めて。激しい雨が降り、時折雷が鳴り響く中、離島に見立てた演習場内で3カ国の隊員が戦術技能を共有した。尖閣諸島や台湾有事を見据え、各部隊の指揮官は成果を強調。今後も連携を深める考えを示唆した。

 訓練は対中国包囲網の構築を視野に、九州西方沖に展開中のオーストラリアを加えた艦艇と連動した水陸両用作戦が中心。沖縄から鹿児島県まで島しょ部が多い日本にとって大きな課題だった。

 中山泰秀防衛副大臣は特定の国を想定しないことが前提としながら、「島しょ部を含むわが国を守り抜く姿勢を国内外に示すことができた」と語った。

 陸上自衛隊のCH47大型輸送ヘリコプターから部隊を投入した「ヘリボン訓練」では、九州西方の艦艇から離島に部隊を送り込むと想定。迷彩服姿の3カ国の隊員らはヘリから降りると小銃を構え、起伏に富んだ草原を進んでいった。自衛隊とフランス陸軍の隊員らが声を掛け合う場面も多かった。

 悪天候だったため、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地に駐機していたオスプレイの飛行や艦艇からのヘリ移動を取りやめた。

 マンションやスーパーを模したコンクリート製の建物群が並ぶ訓練施設では、市街地戦に優れているとされるフランス陸軍が、敵に占領された建物に突入する作戦などを展開した。

 陸自の離島防衛専門部隊「水陸機動団」第1水陸機動連隊長の開雅史1佐は「わが国周辺やインド太平洋の安全保障環境は先鋭化し、離島防衛の重要性は増大している。訓練の成果は大きい」と強調した。

 ニューカレドニアなどを領土とし欧州で唯一、インド太平洋地域に軍事的プレゼンス(存在感)を持つフランスにとっても、日米豪との結びつきを強くする意義は大きい。

 仏軍のアンリ・マルカイユ中佐は「フランスは太平洋国家として日米と認識を共有している。今後も日本での訓練を続け、相互運用能力の向上を図りたい」と述べ、さらなる連携強化を示唆した。