時計 2021/05/17 22:00

書と墨絵融合 病気、手術…19歳、「生きる力」刻む 阿久根出身・新穂さん、福岡で個展

「欲×鶏」(右)など、書道と墨絵を融合させた作品を手掛ける新穂文健さん=福岡市中央区大名1丁目のGaleria EL TALLER
「欲×鶏」(右)など、書道と墨絵を融合させた作品を手掛ける新穂文健さん=福岡市中央区大名1丁目のGaleria EL TALLER
 阿久根市出身で福岡市の専門学校に通う新穂文健さん(19)が、同市中央区のギャラリーで個展「生きる道」を開いている。生命力あふれる動物をモチーフに、書道と墨絵を融合させた28点を20日まで展示。躍動感あふれる作品の根底にあるのは、「生きるエネルギーを描きたい」という思いだ。

 鋭い視線のカラスの体には、漢字の「生」が浮かぶ。餌をついばむ鶏は「欲」の字でできている。動物の姿の中に文字が溶け込む独特の作品は、気になった言葉や考えたことを書き留めたメモからイメージを膨らませ、一気に描き上げるという。

 表現の道を志したのは出水高校3年の夏。書道部の引退を前に、鹿児島市出身の墨絵アーティスト西元祐貴さんのパフォーマンスをテレビで見て感動し、美術系の専門学校に進路を変えた。書道は脇本小学校4年から中学まで習い、高校の書道部で創作書道にも親しんだが、墨絵はゼロからのスタート。制作を重ねながら腕を磨く。

 小学2年と中学1年の時、病気で大きな手術を受けた。現在も定期的な通院が欠かせない。「生きることは当たり前のことではなく、生きる力は果てしない魅力を持つ。それを形にしたい」と話す。

 個展は昨年11月に続き2回目。前回は1日限りだった会期を6日に延ばし、会場も倍以上に広げた。「大変だけど、挑戦に早すぎることはない」と笑顔を見せる。「もっと成長して県外からも多くの人を呼べるようになって、阿久根で個展を開きたい」と夢を語った。

 「生きる道」展は大名1丁目の「Galeria EL TALLER」で開催。一般500円、学生無料。