時計 2021/06/11 06:30

米軍機、奄美空港に35回着陸 2020年・全国の民間空港で3位 1位は長崎153回

米軍機オスプレイ(資料写真)
米軍機オスプレイ(資料写真)
 国土交通省航空局のまとめによると、2020年に米軍機が奄美空港(奄美市)に着陸したのは前年より15回減の35回で、全国の89民間空港中、3番目に多かった。種子島空港(中種子町)は6回減の14回で6番目だった。最多は長崎空港の153回で前年(48回)の約3倍に上った。在日米軍司令部(東京・横田基地)は「必要な訓練を必要な場所でしている」と説明。識者は「有事の際の標的になる可能性が高まる」と指摘する。

 着陸があったのは13空港で前年より12回減の計314回。うち7空港が九州・沖縄で着陸回数全体の87.9%を占めた。長崎に次ぎ多いのは熊本45回(17回増)、福岡25回(34回減)、名古屋19回(14回減)など。

 米軍は日米地位協定に基づき民間空港の利用を許可されている。鹿児島県港湾空港課によると、奄美、種子島に着陸したのは大半がヘリコプター。詳細な機種や目的について県と九州防衛局は「米軍の運用に関わり承知していない」という。

 在日米軍を監視する市民団体「リムピース」(相模原市)の頼和太郎編集長は「奄美は給油、長崎は兵員輸送が目的だろう。着陸が増えると定期便への影響や事故が懸念される」と話す。

 琉球大学の山本章子准教授(国際政治史)は、奄美や種子島が、沖縄や台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」に位置し、南西防衛上の最前線に当たることを挙げ、「給油を名目とした実績づくりの意味合いが強いのでは。有事に使用できるかどうかの確認と訓練を兼ね、離発着を増やしていると考えられる」と説明する。

 長崎にも米軍佐世保基地や陸上自衛隊水陸機動団があり、南西防衛が絡むと推察。民間空港への着陸が恒常化する影響を「平時は騒音が増え、有事には前線基地として使われ、敵から攻撃される可能性が高まる」とした。

 在日米軍司令部広報部は詳細を明かせないとした上で、海洋進出を強める中国などを念頭に「日米合意の範囲内で、必要な訓練を必要な場所で行っている。騒音など住民への影響を最小限にするよう配慮している」と答えた。