2021/06/19 22:00

巣ごもり 増える家庭ごみ マナーはどこへ? 指定日守らない、分別しない、地域外から持ち込む… コロナ下で清掃員の負担さらに重く

もやせるごみの日にペットボトルや空き缶が出されたごみステーション=鹿児島市(画像の一部を加工しています)
もやせるごみの日にペットボトルや空き缶が出されたごみステーション=鹿児島市(画像の一部を加工しています)
 新型コロナウイルス下で巣ごもり生活が長期化する中、鹿児島市で弁当容器やペットボトルなどの家庭ごみが増加している。それに伴い、もやせるごみに交ぜたり、指定日を守らずに出したりとマナー違反も目立つ。回収する清掃作業員の感染や熱中症といったリスクが懸念されている。

 6月、市街地のあるごみステーション。もやせるごみの日にもかかわらず、資源ごみのペットボトルや空き缶が乱雑に投げ込まれている。「ルール違反」シールが貼られた袋も数個残っていた。

 市資源政策課によると、剪定(せんてい)枝の資源化やコロナ下で事業所ごみが減り、2020年度のごみ総量は前年より5000トン少ない約20万7000トンだった。一方、家庭から出るプラスチック弁当容器や缶、瓶、ペットボトルなど資源ごみは約2000トン増えた。

 市内のごみステーション約1万6000カ所のうち、約9000カ所を町内会が管理している。分別しない、収集日を守らないなどのマナー違反に苦慮している。区外から車でごみを持ちこむケースも多発している。

 マナー違反は、回収する清掃員に大きな負担がかかっている。指定日前に出された袋がカラス被害で破れて、使用済みのマスクやティッシュがこぼれ出ることもある。

 清掃員は感染防止のためマスクをつけているが、マナー違反の疑いがある場合、袋を外側から見たり、持ち上げてチェックする作業が加わる。それだけ作業時間が延びて体力も消耗するため、夏場は熱中症の危険も出てくる。鹿児島市清掃事務所の大平伸一所長(57)は「感染と熱中症の両方に対処する苦しさがある。ルールを守って、作業を安全かつスピーディーに進められるよう協力をお願いしたい」と呼び掛ける。

 町内会もマナー改善を模索している。約400世帯が暮らす田上町広木中央町内会(米盛司郎会長)は、約20カ所のごみステーションを会員全員が交代で清掃する。負担を平等にすることが狙いだったが「当事者意識が高まり、マナーが改善した」と米盛会長(79)は振り返る。

 再資源化で分別が複雑になり、難しく感じる住民もおり、「根気強く呼び掛けていきたい」。

 桜ケ丘七丁目町内会(鶴田牧男会長)は、会員がごみステーションに立ち、マナー順守の声かけをしている。収集後は清掃・消毒して、いつもピカピカ。地区外からの投げ捨ても減った。「きれいな状態を保つと汚しにくいようだ」と鶴田会長(64)。

 マンションなどが立ち並び、町内会加入率は約5割で高齢層が中心。会員が減ればごみの管理も難しくなる。そこで未加入の住民に「協力員」になってもらい、町内会が負担している消毒液などの清掃費用を徴収する仕組みを4月に導入した。

 これまで80人以上が協力員を了承。「予想以上の反応でほっとした。みんなできれいな町を守っていきたい」と鶴田会長は笑顔で話す。