動画配信サービス「ニコニコ動画」を運営するドワンゴが、動画のコメント表示機能に関する特許を侵害されたとして、米国の「ＦＣ２」などに配信差し止めや損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁（大鷹一郎裁判長）は２６日、請求を棄却した一審東京地裁判決を変更して特許侵害を認め、配信差し止めと約１１００万円の支払いを命じた。
　特許権は、効力が自国内でのみ認められるとする「属地主義」の原則がある。ＦＣ２の配信システムは米国にサーバーがあり、効力が及ぶかどうかが争点だった。判決は、国境をまたいでサービスを展開するＩＴ関連企業に影響を与える可能性がある。
　ドワンゴは、利用者コメントが、重ならないように水平に流れるニコニコ動画の表示に関する特許が、ＦＣ２が採用した同様のシステムにより侵害されたと訴えた。
　知財高裁はサーバーが国外でも、システムを構成する国内の端末などが果たす役割や、サービスを利用できる場所などを考慮し「わが国の領域内で行われたとみることができる」場合、特許侵害の恐れが生じると指摘した。