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英ディアジオが出資 焼酎メーカーがウイスキー事業を独立 鹿児島・小正醸造 世界市場進出を強化

 2021/09/09 21:40
嘉之助蒸溜所に設置されているウイスキーの蒸留窯3基=日置市日吉町神之川
嘉之助蒸溜所に設置されているウイスキーの蒸留窯3基=日置市日吉町神之川
 小正醸造(日置市)は、ウイスキー事業を小正嘉之助蒸溜所(同市)として分社化し、英アルコール大手のディアジオから出資を受ける。ディアジオの連携企業を通じ、海外で需要が高まるジャパニーズウイスキーの国際的な市場開拓やマーケティング強化、商品開発を図る。

 ディアジオが少数株主として資本参加することは8日発表した。同社が日本のウイスキーメーカーの株式を取得するのは初めてで、日本法人トップが取締役として経営に加わる。

 8月に会社分割し、ウイスキー事業を立ち上げた小正芳嗣前社長(43)が小正嘉之助蒸溜所の社長に就いた。小正醸造の新社長は弟の倫久(のりひさ)氏(40)。

 ディアジオなどの支援について芳嗣社長は「戦略的で力強いサポートを受け、国内外のより多くの人へウイスキーを届け、事業の成長をさらに追求できることがうれしい」とコメントを出した。

 2017年に設立した嘉之助蒸溜所では昨季(20年7月~21年6月)は約17万リットルを生産し、3年超熟成したウイスキーを6月に初出荷した。歴史ある焼酎造りに裏打ちされた製造技術や品質の高さ、国内外コンペティションでの受賞実績、日本最長の砂丘である吹上浜にある立地などが高く評価された。

 ディアジオはウイスキー「ジョニーウォーカー」をはじめ有名アルコールブランドを保有し、180以上の国で販売する。連携企業で飲料を専門に国際展開を支援する英ディスティル・ベンチャーズが19年に嘉之助蒸溜所を視察していた。

 国税庁のまとめでは、20年の国産ウイスキー輸出額は10年の約16倍にあたる271億1500万円に伸びている。