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レギュラー180円超え ガソリン高騰、離島を直撃 GS店主「ぎりぎりでやっているのに…」

 2021/10/16 11:04
レギュラーガソリン価格が180円を超えている屋久島町内のスタンド=15日
レギュラーガソリン価格が180円を超えている屋久島町内のスタンド=15日
 全国的にガソリン価格の上昇が続いている。鹿児島県内の離島を含むレギュラーガソリンの平均小売価格は、11日時点で1リットル当たり169円60銭と7年ぶりの高値。新型コロナウイルス禍からの世界経済の回復に伴う原油価格の高騰が要因で、燃料の値上がりは家計を圧迫、コロナ禍で苦しむ事業者には追い打ちとなっている。

 「観光客など島外客からは高すぎると文句を言われる。島のガソリンスタンドは零細企業で、ぎりぎりのところでやっているのだが」。屋久島町の屋久島空港近くのスタンドに30年勤める責任者の男性(50)は、ため息をつく。

 島内のレギュラーガソリンは、現在1リットル180円を超える。毎日往復40キロを自家用車で通勤する会社員日高勝広さん(62)は「会社支給の交通費は固定なので、手出しが増えた」とぼやく。給湯に灯油ボイラーを使う家庭が多い島では、灯油代も気がかり。風呂は家族が続けて入るようにして節約するという。

 石油情報センターによると、県内のガソリン価格は、中東情勢の不安定化で高騰していた2014年10月の171円60銭に次ぐ水準。コロナ禍で原油価格が暴落した昨年5月の132円を底に上昇傾向が続き、来週も値上がりを予想する。

 軽油や重油といった燃料も上がり、事業者の経営を圧迫する。

 クリーニング店は、溶剤をはじめボイラー燃料や包装用ビニール袋など石油製品の経費が多い。県クリーニング生活衛生同業組合によると、外出・旅行減で、スーツやホテルのリネン類の持ち込みが減り、会員の多くがコロナ前に比べ売り上げが3~4割減ったところを原油高が直撃している。村山孝一郎理事長は「値上げするにもこの不景気だと難しく、店をたたむ高齢会員も出ている」と嘆く。

 運輸業界も同様だ。「天候不良やコロナ禍による荷動きの減少、働き方改革に伴う人件費増に燃料高が加わり二重苦、三重苦だ」と県トラック協会の鳥部敏雄会長。燃料高騰分の運賃転嫁制度もあるが、「最終的には荷主との交渉次第なので転嫁は容易ではない」と話す。

 奄美航路のフェリー3社は、11月から燃料油価格変動調整金を引き上げる。今年5月に9カ月ぶりに転嫁し、8月に続く値上げ。マルエーフェリー(奄美市)の有村格之進総務部長は「心苦しいが、安定運航のため」と理解を求める。