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コロナ、ウクライナ侵攻、円安…3月期決算、鹿児島県内の上場企業に明暗 今後も厳しい経営環境予想

 2022/05/17 12:00
 鹿児島県内に主要拠点を置く上場企業の2022年3月期決算が出そろった。新型コロナウイルスの影響が続き、ロシアのウクライナ侵攻、日米の金利政策による円安など市場の変調も加わって明暗が分かれた。物価上昇によるコスト増は今後も続きそうで、厳しい経営環境が予想される。

 市場環境がプラスに働いたのは医薬品開発受託の新日本科学。純利益は前期比94.6%増の71億2700万円と過去最高を記録した。コロナ関連などの創薬ニーズが増加。特に欧米での受注が増えたため為替差益の恩恵が拡大し、2月に業績予想を上方修正した後もさらに上振れした。

 一方で、ウクライナ情勢や円安による商品価格の高騰で、内需型企業は苦戦した。南九州で石油・ガス販売や外食・物販を手がけるMisumiは、石油やガスの高騰が要因となって増収。仕入価格の上昇分に見合う価格転嫁ができず、黒字は確保したものの減益となった。

 12日に会見した岡恒憲グループCEOは「物価高は今後も進むが賃金が上がる状況ではない。コロナ禍に加え、燃料価格上昇で外出が控えられると消費環境は厳しくなる」との見通しを示す。即席麺や乾麺を製造するヒガシマルも小麦粉価格や物流費の値上がりを想定し、次期業績は例年より抑え目に予想したという。

 取引先の経営環境に業績が左右される金融機関もコロナや物価高を注視する。南日本銀行の齋藤眞一頭取は11日の決算発表会見で「コロナは予断を許さない。ウクライナ関連では主産業である第1次産業で飼料や肥料の供給不安の懸念が強く、長期化すると影響が出そうだ」と述べた。