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免許更新 高齢者実車試験スタート 信号無視・逆走は一発不合格、ペダル踏み間違いもチェック 県内対象者は違反歴ある3500人 鹿児島市で講習会

 2022/05/17 11:00
段差を使って、アクセルとブレーキの踏み替えに挑む受講者=鹿児島市
段差を使って、アクセルとブレーキの踏み替えに挑む受講者=鹿児島市
 改正道交法が13日に施行され、免許更新時の技能検査(実車試験)が義務化された。一定の違反歴がある75歳以上の全員が対象で鹿児島県内では今年、約3500人を見込む。どのような試験なのか。16日、同じ内容の高齢者講習を実施した県交通安全教育センター(鹿児島市)を取材した。

 高齢者講習は免許更新を控えた70歳以上が受ける必要があり、約10人が参加した。

 実際の実車試験は約10分間。(1)指示速度による走行(2)一時停止(3)右折と左折(4)信号通過(5)段差乗り上げ-の5項目を同乗の運転技能検査員がチェックする。この日の講習では高齢者講習指導員が助手席に乗って運転の様子を確認した。

 試験は100点満点の減点方式で行われ、普通免許は70点以上が合格になる。明らかな信号無視や、右左折の項目で調べる逆走は、いずれもマイナス40点となり、一発不合格となる。

 緊張した面持ちでハンドルを握る受講者が身構えたのが段差の乗り上げ。高さ約10センチの段差の前で車を止め、アクセルを踏み込んで前輪を乗り上げると、すぐにブレーキをかけて停車させる。アクセルとブレーキを交互に使うことで、近年多発するペダルの踏み間違いを想定したものだ。

 「違反歴もなく、運転には自信がある」。運転代行業の女性(75)はそう話し、そつなく指導員の指示をこなして満足げだった。だが、「信号のない交差点を右左折する際の安全確認が少し甘かった。しっかり停止して、左右をよく見てから曲がるように」と指摘を受けた。講習で採点はしなかったものの、指導員によると、合格ラインぎりぎりの受講者もいた。

 実車試験の対象者は誕生日の160日前までの3年間に信号無視や速度超過など11の違反歴が一つでもある人。免許更新期限が満了する6カ月前から受検できる。県内と都城市の自動車学校、県交通安全教育センターで実施している。

 不合格になっても何度でも受検できるが、更新期限内に合格しないと失効する。対象者には警察から通知が届く。県警は期限直前の受検を避けるため、早めの予約を呼び掛けている。

 県警免許管理課によると、県内では今年1〜4月、信号無視が原因の事故が40件発生。このうち高齢者が過失の重い「第1当事者」になった事故は18件と45%を占めた。

 同課の西郷隆文理事官は「残念ながら高齢者の事故は増え、運転を続けるのなら何度でも受検してほしい。車は生活の足であり、免許返納は勇気のいることだが、家族とも相談して返納も考えてもらいたい」と話した。