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放置竹林に困ってる?…飼料・有機肥料の原料になります 竹林面積日本一の鹿児島・さつま町に竹チップ工場完成

 2022/05/18 15:15
完成した工場前で竹の加工を実演する関係者=17日、さつま町時吉
完成した工場前で竹の加工を実演する関係者=17日、さつま町時吉
 竹を原料とした家畜飼料・有機肥料の「笹(ささ)サイレージ」を製造販売する大和(やまと)フロンティア(都城市)は17日、鹿児島県さつま町時吉に整備した竹チップ製造工場の開所式を開いた。放置竹林の竹を所有者に代わって無償で伐採し、原料として活用する事業を竹林面積日本一の県内で本格的に始める。

 県内第1号の工場は延べ床面積444平方メートルで、総事業費は1億2000万円。5月下旬からの稼働を見込む。枯れた竹も含めて年間約10万本を加工する。開所式にはJAや行政などの関係者約60人が参加。専用重機での伐採やチップにする機械の実演もあった。

 「笹サイレージ」は、竹チップに乳酸菌などを混ぜて発酵させたもの。同社によると、牛や豚の健康状態の改善、野菜の収量向上が期待できるほか、土壌改良材としても効果があるとされ、サツマイモ基腐(もとぐされ)病対策の実証実験が進められている。

 林野庁によると、県内の竹林面積は2017年までの10年間で約1800ヘクタール増加。放置竹林の対策が課題となっている。田中浩一郎社長(52)は「厄介者の竹を資源として活用する取り組み。ウクライナ情勢などの国際社会の影響を受けずに安定して生産でき、国連のSDGs(持続可能な開発目標)にもつながる」と話した。

 同社の工場は本社に続き2カ所目で、宮崎県新富町にも建設を進めている。「笹サイレージ」の月間生産量は現在約200トンで、数年内に約700トンまで増やす計画という。