「マンション中心にどんどんやりたい」 JR九州の新社長・古宮洋二氏 鹿児島市での不動産開発に意欲
2022/05/25 11:20

インタビューに答えるJR九州の古宮洋二社長=福岡市の同社
-コロナ下で経営のバトンを引き継いだ。
「この2年間は会社全体が耐える時期だった。コロナ自体は底を脱し、今後は上っていく局面と思っている。鉄道と事業開発の両方が柱だが、現在はインバウンドも消失し、鉄道が大きく伸びる要素はない。鉄道以外でいかに新しいことにチャレンジし、収入を伸ばしていくかが重要になる」
-鹿児島での新事業の検討は。
「鹿児島市も、福岡市のようにコンパクトシティー化が進むだろう。マンションを中心に不動産関連事業をどんどんやっていきたい。街中に人が集まれば、ショッピングの需要も高まる。駅から離れた場所でも、まとまった用地があれば開発を手掛けたい」
-開業準備室長として携わった九州新幹線の現状をどうみるか。
「さまざまな整備新幹線がある中で大成功した例だと思う。04年の部分開業で通勤圏が広がった。観光には波があるが、安定した通勤通学とビジネスの利用があって稼いでくれている。ただコロナ禍で、早朝や夜間の本数を少し減らした。飛行機のように利用の少ない時間帯は安くするなど、柔軟な価格設定ができないか研究している」
-課題はあるか。
「部分開業時から動いている指宿枕崎線の『指宿のたまて箱』などD&S(観光)列車が最近、コロナもあって利用が減っている。それらのリニューアルを考えている。まずは9月開業の西九州新幹線に合わせて、佐賀の武雄温泉と長崎間に新しい列車を投入する。次の具体的な予定はないが、熊本、鹿児島を含めてもう1回整理したい」
-肥薩線の復旧に対する考えは。
「復旧費に加えランニングコストも考えなければならない。17年の九州北部豪雨で被災した日田彦山線は、鉄道での復旧費用は56億円だった。不通区間は年約3億円の赤字があり、沿線自治体に支援を求めたが負担できないということで、バス高速輸送システム(BRT)で復旧することになった。肥薩線も年9億円弱の赤字を出している」
-3年前から赤字路線の収支を公表し、鹿児島関係4区間を含む7区間で沿線自治体と協議を続けている。
「今は利用促進策を話している。団体列車を走らせるなどのアイデアもあるが、日常で使うお客さまを増やしていかないと。活用策がなく利用が減る一方なら、あり方を考えなければならない。2~3年で結論を出すのは難しいだろうが、10年もの時間はかけられない。国もローカル線の再構築に関する有識者会議を設置した。その進行も見据え、地元ときちんと話をして互いに納得した上で、次のステップに進みたい」
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