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乗客に感動呼ぶ“振り鉄”とは 観光列車「おれんじ食堂」をおもてなし、日曜日に続け4年余 鹿児島・出水

 2022/06/28 21:00
観光列車「おれんじ食堂」に手を振る佐藤恵さん=出水市向江町
観光列車「おれんじ食堂」に手を振る佐藤恵さん=出水市向江町
 鹿児島県出水市で毎週日曜日の午後、肥薩おれんじ鉄道の観光列車「おれんじ食堂」に向かって手を振る“振り鉄”がいる。会社員佐藤恵さん(48)=同市上鯖渕=や市職員らで、「乗客に歓迎の気持ちを伝え、おもてなしをしたい」と4年以上続けている。

 出水駅から1.5キロほど離れた向江町の中学校前踏切そばに、毎週6~7人が集まる。26日はいつもより少なめの4人が参加。午後1時すぎに通過する川内行きのランチ便を待ち構え、「Welcome出水」と書かれた手作りの横断幕を掲げ、オレンジ色のタオルやポンポンを持って大きく手を振った。

 今では、お決まりの「振り鉄ポイント」として車内アナウンスで紹介。運転士もホーンを鳴らし、乗客が見やすいように速度を落とすようになった。参加者は「乗客が手を振り返してくれることが励み」とやりがいを口にする。

 客室乗務員の尾野島優咲さんは「感激して涙を流すお客さまもいる。雨の日も姿が見え、海の眺めを十分楽しめないときでも喜ばれる」と感謝する。同鉄道から相談を受け、乗車当日に誕生日を迎える客のために「HAPPY BIRTHDAY」の旗を掲げるサプライズ演出をしたこともある。

 佐藤さんらの活動をきっかけに、同鉄道は沿線住民に応援をお願いしようと、おれんじ食堂の停車駅などに「振り鉄募集」のポスター掲示を始めた。佐藤さんは「振り鉄は短時間でできる。地元に愛されている鉄道であることを示せれば。出水に限らず各地で手を振る人が増えてほしい」と話す。