鹿児島県本土 最短の梅雨→猛暑到来 農畜産業への影響は…牛の乳量減、果実日焼け、水枯れ 生育に懸念
2022/06/29 07:30

強い日差しの下、田植えに励む蓑田稔さん=伊佐市大口里
「すでに生活できるレベルの収入を確保できていない。離農が頭をよぎる」。南九州市の酪農家、大渡康弘さん(47)はため息をつく。乳牛は暑さに弱いため、食欲が落ちて乳量が減少する。飼料などのコストが上昇している状況で、農家にとっては死活問題だ。
牛舎では細霧器や大型扇風機を夜間も含めて稼働しており、コストもかさむ。「乳価を上げるなど何か対策を打ってもらえなければ、農家の努力ではどうしようもない」と話す。
伊佐市の水田では28日、蓑田良光さん(74)、稔さん(43)親子が強い日差しの下で田植え作業に励んでいた。建築業の傍ら市内数カ所の10ヘクタールで水稲を栽培しており、まだ半分以上で田植えが残っている。今のところ水は足りているが、「やや高いところにあって水のくみ上げが必要な水田もある。水が不足しないか心配だ」と良光さん。早い梅雨明けによる急な気温の上昇も気に掛かる。「田植えが終わっても草刈りなどもある。熱中症に気をつけたい」と話した。
梅雨期間の降水量が平年の6割にとどまった阿久根市。大将季(だいまさき)や紅甘夏などを栽培する果樹園農家の西田学さん(43)は、水分不足と強い直射日光を浴びたことによって皮が変色する「日焼け」現象を心配する。
1月の収穫に向け、夏以降、小さな実が大きく成長する時期を迎える。「このまま高温と雨不足が続けば日焼けの被害が大きくなり、青果物として出荷できなくなりかねない。ホースで水を与えても、雨と比べれば限界がある。早く例年の降水量に戻ってほしい」
今後日光の影響を和らげるため、実に一つ一つテープをまく作業などを急ぐという。
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