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鹿児島県本土 最短の梅雨→猛暑到来 農畜産業への影響は…牛の乳量減、果実日焼け、水枯れ 生育に懸念

 2022/06/29 07:30
強い日差しの下、田植えに励む蓑田稔さん=伊佐市大口里
強い日差しの下、田植えに励む蓑田稔さん=伊佐市大口里
 九州南部の梅雨明けが27日発表された。鹿児島県本土、種子・屋久の梅雨期間は過去最短の16日間に終わり、降水量も県内観測地点の多くで平年を下回った。28日は肝付町前田で34.0度を観測するなど6地点で今年の最高気温を更新。7月も気温が高く、雨の少ない日が続くとみられ、農畜産業に携わる農家からは生育などへの影響を懸念する声が上がっている。

 「すでに生活できるレベルの収入を確保できていない。離農が頭をよぎる」。南九州市の酪農家、大渡康弘さん(47)はため息をつく。乳牛は暑さに弱いため、食欲が落ちて乳量が減少する。飼料などのコストが上昇している状況で、農家にとっては死活問題だ。

 牛舎では細霧器や大型扇風機を夜間も含めて稼働しており、コストもかさむ。「乳価を上げるなど何か対策を打ってもらえなければ、農家の努力ではどうしようもない」と話す。

 伊佐市の水田では28日、蓑田良光さん(74)、稔さん(43)親子が強い日差しの下で田植え作業に励んでいた。建築業の傍ら市内数カ所の10ヘクタールで水稲を栽培しており、まだ半分以上で田植えが残っている。今のところ水は足りているが、「やや高いところにあって水のくみ上げが必要な水田もある。水が不足しないか心配だ」と良光さん。早い梅雨明けによる急な気温の上昇も気に掛かる。「田植えが終わっても草刈りなどもある。熱中症に気をつけたい」と話した。

 梅雨期間の降水量が平年の6割にとどまった阿久根市。大将季(だいまさき)や紅甘夏などを栽培する果樹園農家の西田学さん(43)は、水分不足と強い直射日光を浴びたことによって皮が変色する「日焼け」現象を心配する。

 1月の収穫に向け、夏以降、小さな実が大きく成長する時期を迎える。「このまま高温と雨不足が続けば日焼けの被害が大きくなり、青果物として出荷できなくなりかねない。ホースで水を与えても、雨と比べれば限界がある。早く例年の降水量に戻ってほしい」

 今後日光の影響を和らげるため、実に一つ一つテープをまく作業などを急ぐという。