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物価高騰背景、最低賃金「30円」上げ 労使の隔たり大きく 鹿児島の審議会、8日答申? 見通せず

 2022/08/06 15:15
 鹿児島地方最低賃金(最賃)審議会は5日、鹿児島市で専門部会を開き、2022年度引き上げ額の議論を本格化させた。中央最低賃金審議会(中賃)の小委員会が示した鹿児島県の目安額は30円。現行821円の最賃の引き上げ額を巡り労使それぞれの立場で見解を述べたが、主張にはなお隔たりがある。

 早ければ8日に引き上げ額を答申、10月2日から適用される。ただ、7月中を予定していた中賃の目安額提示が8月1日にずれ込んだ影響で、専門部会の具体的な議論は始まったばかり。答申時期は見通せない。

 地方審は労働者代表、使用者代表、識者による公益代表の各5人の委員で構成。5日の専門部会は非公開で開催された。

 目安額30円は物価高騰を背景に、02年度以降最大の増加幅。使用者側委員の濵上剛一郎・県経営者協会専務理事は「目安額は高い。上げられる企業は上げないといけないが、立場の弱い中小零細も多い」と指摘。「最賃は一律に適用され、罰則もある。拙速な議論にならないようにしないといけない」と慎重姿勢だ。

 労働者側委員の日高実禎・連合鹿児島事務局長は目安額に一定の評価をしつつも「ガソリンなど生活必需品の高騰で特に離島は大変。最賃が高い地域との格差も広がっている」と厳しさを訴えた。「労組に加入していない有期パートにとって最賃への期待は大きい。賃金が上がる流れの継続を求めていく」と話す。

 公益委員の山本晃正会長(鹿児島国際大学経済学部教授)は「労使の隔たりは大きかった。8日に再提案してもらい、すりあわせる。いつ結審できるか見通しは分からない」と話した。

 都道府県ごとに決められる最賃の全国平均は現行930円。最も高い東京都は1041円。最も低い沖縄、高知両県は820円。