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農業経営の課題「労働力」より「資材コスト」 飼料・肥料の高騰で初めて逆転、コスト増の価格転嫁進まず 鹿児島では「労働力」が最多74%

 2022/08/17 14:30
農業法人の経営課題
農業法人の経営課題
 日本農業法人協会(東京)は、約2000社の会員を対象にした実態調査をもとに「2021年版農業法人白書」をまとめ、ホームページで公開した。高騰する飼料、肥料などの「資材コスト」を経営課題に挙げた法人が65%に上り、これまでトップだった「労働力」を初めて逆転した。

 農業法人白書は08年から毎年出している。今回の実態調査は昨年11月にアンケート票を配布し、今年3月までに全会員の72%にあたる1490社から回答を得た。経営課題を複数回答で問う項目は18年から設けており、過去3年はいずれも労働力を上げる法人が最も多かった。

 白書によると、資材コストを経営課題に挙げた割合は20年から19ポイント増加。労働力に次いで3位だった「農産物の販売価格」も53%と前年から18ポイント増えており、コスト増を価格に転嫁できない現状が浮き彫りとなった。

 鹿児島県内の法人では労働力が74%で最も多く、次いで資材コスト56%、販売価格42%の順だった。

 白書ではこのほか、スマート農業の活用、海外事業展開などについても紹介。国が「みどりの食料システム戦略」で面積拡大を打ち出した有機農業への取り組みでは、県内法人の38%が「すでに取り組んでいる」と答え、全体を9ポイント上回った。有機JAS取得割合も19%(全体9%)に上った。