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「和牛オリンピック」 高校生、日本一へ挑戦 鹿児島・全国和牛能力共進会 6日開幕 次代の担い手、仲間や相棒〝牛〟と技、絆磨く

 2022/10/02 11:54
出品する「しえな」号の世話をする引き手の矢野輝星さん(右)と補助を務める小倉香澄さん=曽於市の曽於高校
出品する「しえな」号の世話をする引き手の矢野輝星さん(右)と補助を務める小倉香澄さん=曽於市の曽於高校
 6日開幕する全国和牛能力共進会(全共)鹿児島大会では、畜産の次代の担い手となる高校生の活躍にも期待が高まる。鹿児島県からは高校・農業大学校が対象の特別区に曽於高、関連行事の家畜審査競技会に伊佐農林高が参加し、「日本一」を懸けた戦いに挑む。

 9月中旬、曽於高の実習農場を訪れると、畜産食農科の生徒が牛の世話をしていた。本番で引き手を務める3年の矢野輝星(ひかる)さんと、補助の小倉香澄さんは、全共に出品する「しえな」号のブラッシングや姿勢矯正の訓練に余念がない。

 部活動でバドミントンに打ち込んでいた矢野さん。しえなをなで、「この子は人見知りで臆病。調教に時間がかかったけれど信頼感が生まれてきた。今はダブルスのパートナーのような感じ」と目を細める。

 地域の期待も大きい。JAの指導員からは「特別区以外の牛と並んでも遜色がないくらい優秀」とお墨付きをもらった。矢野さんは「全国の舞台で活躍して曽於高の畜産食農科で学びたい、という後輩が増えたらいい」と話した。

 特別区は、出品牛の審査と取り組み発表の合計得点で競う。

 体形や発育状態、顔つきなどから牛に序列をつける“目利き”を競う家畜審査競技会に挑むのは、伊佐農林高2年の尾口誠真さん。実習助手の陳尾武志さん(55)の指導の下、実際の母牛を使って優秀な牛の見極め方を学んでいる。

 両親や祖父の影響で、自身も牛飼いを目指すようになった。「優秀な牛を見極められるようになれば、競りに出す牛を選ぶときなど将来役立つはず」と話す。

 時折クラスメートと相談しながら、本番で出題されそうな項目を重点的に、牛の状態を見極める。陳尾さんは「優秀な仲間もいて、いいライバルになっている。実力を高め合ってもらえれば」と見守る。尾口さんは「学校でも地域でも周りの人が期待してくれている。良い成績を残したい」と意気込んだ。