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宮崎市街地のにぎわい、駅ビル「アミュプラザ」がけん引 開業2年 唯一の百貨店「山形屋」も“共創”模索

 2022/10/04 14:12
アミュプラザみやざきを構成する「ひむかきらめき市場」の入るJR宮崎駅(左)、うみ館(中央)、やま館(右)=宮崎市
アミュプラザみやざきを構成する「ひむかきらめき市場」の入るJR宮崎駅(左)、うみ館(中央)、やま館(右)=宮崎市
 宮崎市のJR宮崎駅西口にある商業施設「アミュプラザみやざき」は、2020年11月の開業から2年を迎える。一帯は宮崎県の中心市街地。新型コロナウイルス下の船出となったアミュを迎え撃つ百貨店「宮崎山形屋」などの近辺の店舗はアミュと一体となった地域活性化を模索する。

 アミュと山形屋は高千穂通りを約500メートルの距離で結ばれる。山形屋近くには「カリーノ宮崎」、「宮崎ナナイロ」、「MRT micc(ミック)」の3商業施設が立地し、歓楽街ニシタチ地区やアーケード商店街が軒を並べる。周辺500メートル四方に官公庁やオフィスが集中し、名実ともに県都の中心地だ。

 「うみ館」「やま館」「ひむかきらめき市場」の3施設で構成するアミュの21年度の売上高は64億円で、計画比84%にとどまった。しかし、「地域活性化の一助になっている」と分析するのは、県の地価調査に携わってきた不動産鑑定士の上村芳朗さん(68)。アミュ進出を見越し19年に駅近くを新たに調査に加えた。

 「商業地の地価にコロナの影響が顕著に表れているわけではないが、下落がないところを見るとアミュ進出が下支えしているのでは」。山形屋裏にある広島通りの串かつ屋店長時任耕志さん(33)は「アミュオープン以降、土日や夜の人通りは増えた」と話す。

 20年8月には、山形屋の目の前にあった百貨店「ボンベルタ橘」が、MEGAドン・キホーテを中心にした商業施設「宮崎ナナイロ」となった。宮崎山形屋の山下隆幸社長(68)は「『競争』ではなく『共創』で中心市街地の活性化に知恵を絞りたい」と、地域唯一の百貨店として経済の一角を担う自負を口にする。

 山形屋は今年正月、アミュとともに合同グルメ福袋を企画・販売。ナナイロ、カリーノ、micc3館も参加する「みやざき まちなか5館合同プロジェクト」も立ち上がり、駅エリアと一体となった活性化をさらに推進する構えだ。

■宮崎山形屋・山下隆幸社長(68)に聞く

 宮崎市の繁華街で唯一の百貨店「宮崎山形屋」。山下隆幸社長(68)にコロナ下の経営状況や今後の展望を聞いた。

 -2年以上に及ぶコロナ禍とアミュプラザみやざきの開業。業績はどうだったか。

 「コロナ禍が始まった2020年度は26%の大幅減収となった。21年度は外商の健闘もあり前年度比10.4%増の102億円の売り上げ。コロナ禍前の19年度比15%減まで復調した。アミュとの競合初年度は健闘したといえる」

 -アミュとの差別化、すみ分けはどうか。

 「山形屋は高級ブランドなど百貨店らしい商品がそろっていることが強みで客の年齢層は高い。贈答品は当店でという客も多く、唯一の百貨店として信頼を得ている。アミュの客層は若年が中心ですみわけはできている」

 「北海道物産展のように、山形屋だからできる催事が数多くある。一方、屋内型の山形屋と違い、アミュのイベントはアミュ広場を使った屋外。県内からの出店業者などを見ると、知らない業者も見受けられ、当店もまだまだ『開拓が足りていない』と参考になる」

 -コロナ後をどう見据えるか。

 「インバウンドや観光などの需要も取り込みたい。基本は品ぞろえ、百貨店らしい接客サービスを愚直に実践していくことだ」