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鹿児島県内経済「持ち直し」 2期ぶり判断引き上げ 観光中心に個人消費が好調 1月

 2023/02/01 15:44
 鹿児島財務事務所は31日、1月の県内経済情勢報告で景気判断を「持ち直している」とし、昨年7月以来2期ぶりに引き上げた。行動制限の緩和や全国旅行支援効果などにより、観光関連を中心に個人消費が全体を押し上げた。

 項目別では、個人消費を2期ぶりに上方修正した。百貨店・スーパーの催事で客足の伸びがみられ、コンビニ販売は外出時に購入される日配食品が前年を上回った。宿泊・観光は修学旅行の団体客やインバウンド(訪日外国人)も徐々に戻っている。

 生産活動は3期ぶりの下方修正。電子部品・デバイス工業は半導体不足により、在庫調整に伴う受注減少や歩留まり改善の遅れで生産が伸び悩んでいる。窯業・土石製品製造業は公共工事関連を中心に堅調だが、一部弱い動きがみられる。

 雇用情勢は判断を据え置いた。医療・福祉、宿泊・飲食サービス業を中心に人手不足が深刻となっている。

 会見した増田繁胤所長は、物価高による消費マインドの腰折れや回復需要の下押しに懸念を示しつつ、「国際航路や国際クルーズ船の再開、外資系ホテルの開業なども含め、インバウンド需要に期待したい」と述べた。