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再開発効果…鹿児島市の地価は2年連続上昇 県全体では下落続く

 2023/03/23 07:30
 国土交通省は22日、2023年1月1日時点の公示地価を発表した。鹿児島市の住宅地と商業地の変動率の平均は2年連続でプラスだったが、県全体は住宅地、商業地がそれぞれ25年連続、32年連続でマイナス、地方の落ち込みが浮き彫りになった。県内の全用途はマイナス0.9%で、31年連続の下落傾向だった。

 県内35市町の291地点(住宅地193、商業地93、工業地4、宅地見込み地1)を調べた。不動産鑑定士によると、鹿児島市はJR鹿児島中央駅や交通局跡地などで進む再開発の影響を受け取引が堅調。福岡市並みの水準の所もある。JR谷山駅周辺で開発が進む谷山地区でも需要は旺盛だ。

 県全体の1平方メートル当たりの平均価格は、住宅地4万3100円(変動率の平均はマイナス0.8%)、商業地12万8500円(マイナス1.1%)、工業地5万5200円(プラス1.0%)、宅地見込み地は横ばいの1万2700円。一方、鹿児島市の住宅地は9万2100円(プラス0.4%)、商業地は28万8800円(プラス0.5%)だった。

 県内の価格最高地点は、住宅地が「西田2の16の29」で25万8000円(前年比2.0%増)、商業地が「東千石町13の19」で114万円(同0.9%増)。

 価格上昇率の県内トップは、住宅地が龍郷町瀬留玉里の3.1%(1万6600円)。奄美市名瀬に住宅適地が少なく、奄美空港からのアクセスも良いことが要因となった。商業地は鹿児島市「荒田1の41の9」の3.0%(34万2000円)だった。

 下落率が県内で最も高かったのは、住宅地が志布志市松山町新橋と枕崎市泉町でマイナス4.1%、商業地が枕崎市東本町でマイナス4.9%。いずれも過疎化などの影響を受けている。

 工業地4地点は全て鹿児島市にある。このうち3地点の価格が前年比1.1~1.9%上昇し、1地点は横ばいだった。



 「変動率」は地価の対前年増減率。「変動率の平均」は各地点の変動率を足し合わせて地点数で割ったもので、地価の平均の変動率と異なる。地価の平均が上昇しているのに変動率の平均が下落する場合もある。