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鳥インフルエンザの影響か、昨年12月の鶏卵生産15%減 飼養羽数の1割殺処分した鹿児島県

 2023/03/29 07:30
 鹿児島県内で2022年12月に生産された鶏卵が、前年と比べ15%減ったことが28日、農林水産省が公表した鶏卵流通統計で分かった。11~12月に主に採卵鶏農場で続発した高病原性鳥インフルエンザにより、飼養羽数の1割が殺処分されたためとみられる。

 統計によると、1~10月の県内生産量は15万1227トンとほぼ前年並みを維持。11月中旬以降、県内養鶏場での鳥インフルエンザ発生が過去最多の12件に上り、130万羽を超える採卵鶏が殺処分された。11月の生産量は前年を上回ったものの、12月は前年比2352トン減の1万3050トンまで落ち込んだ。

 年間では、前年より2%少ない17万9337トンで、茨城(23万1362トン)に次ぐ全国2位。以下、広島(13万6315トン)、岡山(13万3996トン)と続いた。全国の生産量は259万6725トンで、前年を1%上回った。

 ただ、養鶏場での感染は年明け以降も全国で拡大しており、茨城、広島だけで400万羽超が殺処分されている。品不足から鶏卵価格は過去最高水準で推移しているが、生産量が回復するまでには半年以上かかるとみられる。