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【鳥インフルエンザ】大量殺処分回避へ「分割飼養」検討急ぐ 業界から鶏舎ごとに部分処分容認求める声 野村農相

 2023/04/01 08:27
野村哲郎農相
野村哲郎農相
 野村哲郎農相は3月31日の閣議後会見で、高病原性鳥インフルエンザが発生した農場で、鶏が大量殺処分されるのを回避するため、現在の大規模農場を分割し、複数の農場と見なす「分割飼養」の検討を急ぐ考えを示した。

 今シーズンの全国の殺処分対象は過去最多の計約1700万羽に上り、鶏卵価格が高騰している。

 現在の国の指針では、鳥インフルが発生すると、農場内の鶏は鶏舎が分かれていても全羽殺処分される。野村氏は、鹿児島を含む業界団体から「鶏舎ごとの部分処分を認めてほしい」という要望があると説明した。

 鶏舎ごとの殺処分を認めるためには、感染拡大防止の観点から鶏舎ごとの人員や資機材の配置が、完全に独立している必要があるという。

 鶏の埋却処分を巡っては、出水市などで用地から液体が漏れ出したケースもある。野村氏は、埋却処分ではなく焼却処分することに対して、「(稼働)日数もかかり施設も必要」と指摘し、焼却施設数など地域事情を踏まえた都道府県ごとの対応を求めた。