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アメックスが認めた古民家カフェの「池田家住宅」リノベ計画 賞金500万円使いチャレンジ拠点を整備へ 霧島市横川

 2023/09/27 14:56
受賞を喜ぶ白水梨恵さん(前列中央)と「横川kito」スタッフ=25日、霧島市横川の同店
受賞を喜ぶ白水梨恵さん(前列中央)と「横川kito」スタッフ=25日、霧島市横川の同店
 鹿児島県霧島市横川の古民家カフェ「横川kito」は、中小店舗を対象にしたアメリカン・エキスプレス(東京)の「RISE with SHOP SMALL」の最高賞を受賞した。横川の国登録有形文化財「池田家住宅」に「チャレンジ拠点」を整備する計画が評価された。

 「多様性に配慮した店作りとビジネス成長の応援」を目的とする賞で、昨年創設。今回は全国約250件の応募から3件が選ばれた。賞金は500万円。23日に東京で授賞式があった。

 計画では、賞金を活用し、池田家住宅を改修する。国登録有形文化財だが、屋内のリノベーションは可能。レンタルキッチン、高機能PCを備えたデジタルクリエイター育成塾を整備する。横川発祥とされるげたんはの製造・販売も予定する。

 「横川kito」オーナーの白水梨恵さん(36)は「誰もが自分の可能性を信じることができる場所をつくりたい。“チャンスの格差”をなくしたい」と話す。

 性別や年齢、障害の有無にかかわらず安心して来られる場所にしようと、スタッフや地域の協力者に対し多様性理解のための講座も開く。「発達障害」「LGBTQ+を含むジェンダー平等」「相手を傷つけない(非暴力)コミュニケーション」について学ぶ。

 計画作りは、デザイナーや画家のほか、障害者など多様な「横川kito」スタッフのアイデアを集めた。池田家住宅所有者の協力も得ながら、年内に着工する。

 横川kitoは、鹿児島市出身の移住者・白水さんが築90年の古民家を改築し、2021年にカフェをオープン。22年には同じ建物内でゲストハウスの運営も始めた。開業3年目の今では、子どもから89歳まで地域の人が集う「作戦基地」となっている。