豚熱ワクチン打った豚肉、食べられる…? 「残留せず 健康に影響なし」 鹿児島でも予防接種開始、原則輸出ストップ
2023/09/27 20:45

豚へのワクチン接種の様子=27日、鹿児島県内(県畜産課提供)
農林水産省動物検疫所は同日、輸出に必要な検疫証明書の交付を停止し、豚肉は原則輸出できなくなった。
県畜産課によると、初回の一斉接種は全522農場の約86万頭が対象。生後30日未満の子豚と出荷20日前の肥育豚は除く。家畜防疫員や知事認定の獣医師だけでは作業が追いつかないため、県は各農場の生産者や従業員を打ち手に想定し、11日から必要な研修を始めた。22日までに1100人が受講した。
初日は12農場のうち、家畜防疫員、獣医師による接種が各1農場、残りは従業員らが打った。
寿命の短い肥育豚は1回で済む一方、3年ほど生かす繁殖豚の場合、半年後に補強注射、その後も1年ごとに接種が欠かせない。新たに産まれた子豚も随時打つため、生産者はワクチンを打ち続ける必要がある。
県は20万頭分のワクチンを確保しており、今後10日ごとに同程度が届く見込み。主に県動物薬品器材協会を通じて各農場へ届ける。福重哲也課長は「円滑に接種を進めたい。不明な点は家畜保健衛生所に相談してほしい」と話した。
◇
8月下旬、九州では31年ぶりとなる豚熱が佐賀で発生し、国は9月上旬に九州7県を接種推奨地域に追加した。19日に佐賀など北部4県、27日は宮崎、熊本も接種を始めた。
Q ワクチンを接種するのはなぜですか。
A 豚熱の防疫措置は早期発見と感染した豚の処分を原則としています。ワクチンを適切に接種すれば発症を防げますが、免疫を獲得しない豚が一定数生じるため、無秩序で無計画な接種はかえって感染リスクを高める恐れがあり、予防接種は原則していません。ただ、佐賀県の養豚場での発生を受け、生産上の関連性が強い九州7県で感染が拡大する可能性があるため、国は接種により発生を予防することにしました。
Q 使用するワクチンはどのようなものですか。
A 豚熱を引き起こさせないよう病原性を弱くした豚熱ウイルスと添加剤が含まれています。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づき、農林水産大臣が承認し、国が管理しているもので、有効性や安全性は担保されています。
Q 豚熱ワクチンは日本で使用歴がありますか。
A 1969年から2006年までの37年間、国内ほとんどの豚に使っていました。
Q 今回使う豚熱ワクチンを接種した豚の肉は食べられますか。
A 人の予防接種のように豚が免疫を獲得すると、ワクチンに含まれている豚熱ウイルスは体内から消失するため、豚肉に残留することはないと考えられます。人の健康に影響があったという報告はこれまでありません。ワクチンに含まれる添加剤も食品から通常摂取されている成分や食品添加物として使われる成分で、万一残留しても人の健康に影響はありません。
(参考・農林水産省ホームページ)
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