親子ヘアドネーション 丸刈り頭の園児「僕も伸ばす」から3年 小3、お母さんと一緒に45センチばっさり 鹿児島・十島村

 2020/08/10 07:30
髪をカットする小和瀬椛君=6日、鹿児島市東千石町の「浪漫館ファース」
髪をカットする小和瀬椛君=6日、鹿児島市東千石町の「浪漫館ファース」
 僕の自慢の髪を役立てて-。十島村の小学3年生男児が、数年前から伸ばし続けた髪を切り、医療用かつらを無償提供しているNPO法人に寄付した。ヘアドネーションの基準の31センチ以上でカットした髪の毛を手に、「困っている人を助けたい」と満足そうな笑顔を見せた。

 十島村の平島小中学校の小和瀬椛(もみじ)君は6日、3年間伸ばした髪を鹿児島市の美容室で45センチカットした。女の子と見間違えるほどの長髪から、ショートカットのスポーツ男児に変身し「頭が軽い。涼しい」と喜んだ。

 椛君は2017年、母洋子さん(38)から、髪を伸ばしているのはヘアドネーションのためだと教えてもらった。「僕も伸ばす」。丸刈り頭だった園児のやる気に火が付いた。

 一家は当時、群馬県高崎市に住んでいた。中学2年の長兄檜(ひのき)さんが平島小中学校に山海留学した縁で、翌18年に5人全員で移住。自然豊かな島の生活を家族と楽しみながら、椛君はヘアドネーションをする日が来るのを楽しみに髪を伸ばし続けた。

 短髪姿が気に入った様子の椛君だが「困った人に役立てばうれしい。また伸ばす」と2回目を宣言。一緒に70センチカットした洋子さんは「もっと早い時期に切ろうと思っていたけど、椛が『一緒に切ろう』と言ったので今になった」と髪束を手に笑った。