女性議員全74人中41人セクハラ被害 同僚、有権者らから関係強要や蔑視発言 国際女性デー・県内アンケート

 2021/03/09 10:30
 南日本新聞が8日の国際女性デーに合わせ、鹿児島県内の女性議員全74人にセクシュアルハラスメントについて行ったアンケートで、選挙期間に31人、議員活動中に30人がセクハラを受けた経験があった。両方は20人おり、何らかのセクハラ被害を経験した議員は41人いたことが分かった。家事や子育てとの両立への負担感が多く見られ、性別役割分担意識が依然根強いこともうかがえた。女性蔑視の雰囲気が残る実態も明らかになった。

 県と県内43市町村のうち、県議会と30市町議会に女性議員がいる。2月にアンケートを郵送し全員から回答を得た。

 選挙期間中に有権者らからセクハラを受けた経験が「ない」は43人。議員活動中の「ない」は42人。無回答2人だった。

 セクハラ内容は、有権者や同僚議員から「体を触られる」「体形について指摘される」という回答が目立った。有権者らから「少し触らせてくれたら(票を)入れる」と言われたほか、「性的関係の強要」という回答もあった。

 「結婚や子どもの有無を問われ、『産むなら早いほうがいい』」など結婚・妊娠について発言をされたという回答のほか、女性から「旦那じゃなくて、あんたが出るのか」「自分の妊娠の計画すらできないのに何ができる」と言われたケースもあった。

 選挙期間や議員活動で、女性だから困った経験の有無は、選挙期間では「ある」が27人、「ない」47人。議員活動中は「ある」30人、「ない」43人、無回答1人。

 内容は、家事や子育てとの両立や、視察など活動中のトイレ時間の確保のほか、「『子育てに専念すべき』と言われた」「『女だから』『女のくせに』と言われた」などがあった。